第2話

その少女は、目をパチパチさせてからお礼を言ってきた。


『あの、助けていただきありがとうございます』

『別にいいよ。それよりもここから1番近い街はどこにある?』

『場所は、ここから北西にいったあたりにエルベートという街があります。よければ、案内しましょうか?』

『ありがとう』


どうやら、この近くに街があるみたいだ。助かった。いや、このままいっそう死んでしまえばよかったのでは無いだろうか。でも、私が死んだらこの少女が危ないだろう。しかし、なぜこんな森の奥に来たのだろうか?


『あなたは、なんでこんな森の奥にきていたの?』

『家族が、病気で薬草が必要だったんです。』

『そっか』

『そういえば、まだ名前は聞いていなかったね。私は.......メグル=オオタニ』

『あなたは?』

『私は、リース=イグニーシュ、歳は16歳だよ。あと、敬語使わなくていいからね』

『ん、わかった。』


道中でいろいろ話していたらすぐに街に着いた。街に入ろうとすると門兵に止められた。


『身分証明書または、冒険者カードはお持ちですか?』

『持ってない』

『でしたら、通行料として銅貨3枚お支払いください』


この世界でのお金もってないんだよねー

.....どうしょう。と、思っていたらリースが払ってくれた。

これくらいは、お礼だと思って受け取って欲しいと言われた。


そんなこんなで、リースの家に着いた。


『ただいま』


.......返事は無かった。

リースの両親と弟は布団で寝ているようだ。病気だから仕方ないだろう。


『両親の病気は大丈夫なの?』

『.............ううん、もうダメだって』

『.....そっか。』


なんとなく気まずい。自分から話題を振っておいてって話だけど。

ちょっとリースの両親に回復魔法でもかけてあげようかな。効くかどうかはわからないけど


私はそっとリースの両親の心臓に手を当てて呪文を適当に唱えた。


『回復しろ』



....ま、そんな都合よく目覚めないよね。



内心ガッカリしながらも、もう帰ろっかな、って思ってリースに挨拶しに行こうとすると........。


ちょうどこちらに来たリースが固まっていた。


『..............!』


........なんでだろう。

おそるおそるリースの向いている方を見てみるとリースの両親が目を覚ましていた。


『お父さん!お母さん!』


リースは泣きながら布団に飛び込んでいった。

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