死にたがり少女は、異世界転生をする。

南極ペンギン

第1話

あぁ。もう辛い、生きたくない。

死にたい、死にたい。


その思いで私は、私の住んでいるマンションの8階から飛び降りた。






事は、遡ること2年前、私は高校生になった。高校デビューしようとメイクやらなんやら頑張ったが無理だった。


でも、一応学校には通っていた。


ある日、両親と弟が釣りに出かけたとき、交通事故に遭いみんな死んでしまった。


そこからの、記憶はあまりない。ただ、過ぎてゆく時間の中でぼーっとしていただけだった。







気がつくと、そこは天国のような場所だった。そうか、私は自殺したのか。

やっと家族に会える、そう思って嬉し泣きしそうになっていたら、


神様っぽい人が、やってきた。


そして、私にこう告げた。


『あなたは、現世で徳を積んだので転生できます。おめでとうございます。』

『は?..........』


こいつは、いったい何を言っているんだ?私はもう疲れたから、天国で家族に会いたいんだ。2度目の人生なんて要らない。


『転生なんてしたくないです。』

『あなたは、選ばれたのです。何か神からのギフトを与えましょう』


きっと、コイツに何かを言っても無駄だろう。そう思った私はもう二度と大切なものを失わないためにもこう答えた。


『.....じゃあ、大切な人を守れるくらいの力が欲しい。』

『わかりました。それではあなたに、よき出会いがありますように』


神様っぽい人がそう言うと、目の前が光に包まれて、気づいたら森の中に居た。


『....はぁ。家族に会いたかった。』


内心がっかりしながら、とりあえず街を探そうと歩いていたら悲鳴が聞こえた。


なんでか知らないけど、悲鳴をあげた人の位置がなんとなくわかる。これが神のギフトなのか?


悲鳴をあげていた人の所へ走っていくと、そこには前居た世界ではあり得ないくらいのデカさのオオカミがいた。


『た、たすけて.....』


思わず私は、あのオオカミに向かってとりあえず拳に炎を纏わせて殴りかかった。


『死ねぇぇぇ』


私の拳は見事にオオカミの腹を貫通し、倒した。


襲われていた人を見ると、彼女は私と同じくらいの歳に見えた。


『大丈夫?』

『......はい』


これが、私と彼女の出会いだった。









『良かったのですか?あの子を転生させて』


世界の神であるラムサール様に私は、尋ねた。何故ならあの子は転生を望んでいたわけでもなく、前世で徳をつんでいたわけでもない。


『あの子には幸せになって欲しいのですよ』

『きっとあの世界なら見つけられる』


そう言うとラムサール様は何処かへ行ってしまわれた。


『あ、あとあの子の監視をお願いしますね』


という要らない一言を残して


『それは、あなた様の仕事でしょ。』



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