第5話vs杉田

 深夜テンションで書いたネタ回です。

 シリアスを求めてた方はすみません

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 ずっとついてきてやがる。

 誰だ?ストーカーか?

 俺のではない。決して俺のではない。知らんけど。

 どちらにせよどうにかする必要がある。

 俺がどうするか考えていると


「おい、貴様!」

「ん?」


 出てきた。

 あれ?このモブのような見た目…どこかでみたことあるような…


「え?杉田くん?」


 杉田……?え!同じクラスのあの杉田か!


「湊、貴様を刺しに来た…!」


 なんでやねん!

 なんでそうなんねん!

 いかんいかん大阪弁が出てもうた。


「貴様が悪いんだ…貴様が俺様のマイエンジェルと仲良くするから…!」


 待て、全く話が入ってこない。

 俺様?マイエンジェル?杉田ってそういうキャラなの!?

 ……w


「覚悟…!」


 杉田がナイフを持って突進してきた。

 …ここゲーセンだぞ。


「湊くん!危ない…!」


 俺は隙だらけの杉田を掴んで背負い投げを繰り出した。


「よっ!」

「なっ…!ガフッ!」


 カランコロンとナイフが転がった。

 いや、おもちゃのナイフやないかい!


「くっ……!」

「ふっはっはっは!俺に勝つなど百年早いわ!」

「負けて……たまるかッ!」


 もはやどちらが敵かわからなくなってきた。

 そろそろ真面目にしますか。

 俺は目一杯の圧をかけて言い放った。


「失せろッ!」


 ドン!という効果音がつきそうだな。

 真面目…?何それ?美味しいの?(°▽°)


「クソッ!覚えてろよ〜〜」


 モブのような捨て台詞をはいて逃げていった。

 杉田、モブすぎ ドン!

 なんだったんだ?

 まぁ、終わりよければ全てよし!


「ここってゲームセンターだよね?」


 そういえばそうだったな。

 幸い周りに人がいなくてよかった。

 監視カメラには映ってそうだが…

 俺は周りを見渡した。

 …ない!?

 監視カメラがない!?

 まさか…杉田が出てきたのはこれを狙って…?

 あやつ…なかなか策士だな?


「それにしても、湊くん強いね!」

「ん?まぁ、そう言う奴は慣れてるからな…」

「え?慣れてる…?」


 おっとー

 まずいぞ〜。

 何か言い訳をしないと…


「そ、そう言う妄想よくしてるから!」

「そ、そうなんだ〜あはは…」


 完っっっっ全間違えた〜!

 でも、バレるよりはマシか。

 この空気をどうにかしなきゃな。


「白石さんちょっと待ってて」


 そう言い俺はあるクレーンゲームの台に着いた。

 そのクレーンゲームの台とは


「あ、クマちゃんだ!可愛い〜!」


 そうクマのぬいぐるみの台である。

 俺は百円を入れて始めた。

 この手のクレーンゲームは大体が確立機だ。

 だが、俺には必勝法がある。

 それは!そう、無限リセマラ(有料)である。

 つまり取れるまでやると言うことだ。

 俺はそれを繰り返し、ついに!


「取れた!」


 なんと、金額千二百円。

 普通の学生にとって優しい金額だね。


「湊くん!やったね!」

「あぁ、はい」

「…え?」


 俺は取ったクマのぬいぐるみを白石さんに渡した。


「あげるよ」

「――いいの?」

「いろいろあって迷惑かけたからな」

「そんなことないよ!」

「ん〜なら、単純にプレゼントってことで」

「そっか…それじゃあ、もらうね!へへ…ありがと♪」

「っ……!」


 クマのぬいぐるみを抱きしめ、可愛らしく笑った。

 それは…反則じゃないか…!

 

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