第48話 高梨由利子は満喫する
「よーっし、モリカーやるよモリカー」
「えええ、この格好でですか?」
「みちる、もっかい勝ー負!」
さぁ、特訓で上達した腕前を見せてもらおうか!
なお本音は「水着での乳揺れを見せてもらおうか!」なのは言うまでもない。
さぁ……見せてもらおうか……フへへ……。
って、うぉっ! めっちゃ揺れてる!
やばいやばい! あたしのスモモ姫が隣の桃爆弾に爆撃される!
とか言ってたらはいコースアウト! ちゃんと画面見ろあたし!
いや無理無理。この状況で画面に集中とか無理。
やっば。カーブが続くとめっちゃゆっさゆっさ言ってる。
おわぁまたコースアウト! しかも壁に引っ掛かったおわっおわっ。
まずいまずい画面のスモモ姫見なきゃいけないのにどうしても視線は隣の巨大スモモに行ってしまう……!
「チャンスよみちる。由利子はなんだか調子がおかしいわ」
「はいっ! 頑張りますっ!」
調子がおかしい? いやいやむしろ平常運転ですとも!
平常運転過ぎてこんなんなってるだけですとも!
うぬぅぅ、しかしゲーマーの端くれとして初心者にゲームで負けるわけにはあああああまた揺れたぁぁぁ!
う、迂闊だった……!
至近距離で堪能してやるぜぇ!とか考えないで素直にみちるとリョーコで対戦させとくべきだった……!
し、視界が画面と隣を行ったり来たり。め、目が回るぅぅぅ。
……………………
…………
「か、勝った……!」
「惜しかったわよ、みちる」
「頑張りました~」
はひぃー。ゲームでここまで疲れたの、初めてかも知れない……。
ま、まぁ、凄いものを間近で見させてもらっちゃいましたし、そういう意味では元気を補充しましたけども?
「みちる、疲れたでしょう。代わるわ。さあ由利子、勝負よ」
え? あのー……、むしろあたしの方が疲労困憊してるところなんですけど……?
元気を補充したのは精神的な話でして? 体力的にはへろへろなんですけど……?
「ふふっ、今の由利子になら勝てる気がするわ」
せこっ!
いやリョーコ、あんたこういうところは正々堂々してるタイプじゃなかったっけ!?
あ、これゲームだからか。武術が絡まないとポリシー変わるんだ?
ふふん、でも残念だけど見通しが甘かったね?
生憎、あんたの胸じゃ乳揺れ攻撃なんてできないでしょ?
乳揺れ攻撃さえ無ければあたしが取り乱すことも無い……!
ただでさえ揺れるもんが無いってのに、そんなぱっつぱつじゃ――
「えーと、リョーコ? それさ、きついんでしょ? 着替えた方が良くない?」
「問題無いわ。修業で着けていた拘束具と比べたらどうということは無いわ」
なんてもんと比べてんのよ!?
っていうか拘束具って何! なんかエロそうな響き!
いや違うんだろうけど。
「いやでもさ、これ修業じゃないし。無理することないでしょ?」
「いえ、それほど苦痛でもないのだし、二人とお揃いの方がいいわ」
「そっか。じゃあ……うん。はい」
や、やばい。やばいやばい。
揺れるとか揺れないとかそういう次元の話じゃない。
食い込んでやがる。全身食い込んでやがる。
真っ白い肌と紺色の生地のコントラストもやばい。なんか背徳感がやばい。
露出度もやばい。いくらスク水が露出控えめったって、そもそも普段のリョーコが露出少ないわけで。
これですら普段とのギャップが凄まじい。
生地の質感もヤバい。
生地は薄ければ薄いほどダイレクトにエロいけど、むしろこの独特の質感は……! 妄想を……掻き立てる……!
や、やばい、画面に目が行かない。いや、ちゃんと見ないと。
と、とにかくキャラ選択。リョーコはもう選んでる。いつものルイジー。あたしもいつものスモモ姫で……よし。
「由利子。今回はモリオサーキット2にしましょう」
モリオサーキット2……だと……!?
モリオサーキット2は、立体交差のある独特なコース。
立体交差のところでうっかり下に落ちてしまうと……とんでもないタイムロスになってしまう。
普段のあたしなら何の問題もないけど、今のあたしにこのコースは正直厳しい……!
うぐ……っ、でも――やってやる!
落ち着け由利子。大丈夫だ。そもそも今回はみちるの時とは状況が違う。
みちるの時はゲームしながら揺れる乳爆弾を至近距離で見せられたというのが大きな要因。
でもリョーコの場合はそういうアクション性は無い。
あくまでリョーコ+スク水という組み合わせの背徳感によるものが大きい。
だからゲーム中はゲームに集中して、終わってから改めて堪能すればいい。
意思を強く持ちさえすれば……乗り切れるはずだ!
さぁ、スタートだ。行ける。あたしは行ける。
画面に集中……。そうだ……。いいぞ……。
最初の立体交差……よし!
問題無い。そう、問題なんて無かった。ゲーム中のリョーコはアクション性に乏しい。
みちるとは違って、不必要に揺れたりしない。正座して、正しい姿勢で行儀よくプレイしている。
これなら視線を奪われることも無い。2周目の立体交差も――行けた!
勝てる。これなら勝てる……!
リョーコは……なんだろう? なんかそわそわし始めたな。
調子を取り戻したあたしを見て焦り出したのかな?
あ、いや違う。お尻の食い込みが気になってるんだ。
ちょっとお尻を浮かせて踵で食い込みを直そうと――
――ボテッ。ゴンッガンッ!
「ふふっ、今ので追い付いたわよ、由利子。逆転させてもらうわ」
3周目の立体交差、転落ぅー。
あんなん、見せられたら、無理ぃぃぃ。
━━━━━━━━━━━━━━━━
負けた……。ゲームでリョーコに、負けた……。
結局あれから視線がチラチラ行っちゃうし、ファイナルラップでまた落ちるし。
揃いも揃って水着で誘惑してくるなんて卑怯だぞ――ってあたしが着せたんだけどな!
まぁ、なんだ。普段じゃ見れないお宝映像をいくつも見させてもらったんだし、これむしろ勝利でしょ?
いやさすがにちょっと刺激が強すぎたけど。あ、まだ心臓バクバク言ってる。
というわけであたしは休憩中。今はリョーコとみちるでいろんなコースやってる。
でもさすがにまだみちるには早かったみたいだね。癖のあるコースも多いし、悲鳴が絶えない。
そして後ろから見てるだけでも視覚的な刺激が絶えない。
みちるはほっそい体にでっかいのぶら下げてるから後ろからでも揺れてるのよく見えるし。
リョーコはお尻が気になって何度ももぞもぞしてるし。いやもう着替えろよ。
画面に集中できればいいんだけど画面を見るには前を見ないといけない。
前を見れば間に2人がいる。ダメだ詰んでる。
休憩してるはずなのにここにいると全然休まらない。
名残惜しいけど……部屋から出よう。この空間はあたしには刺激が強すぎる。
「ちょっと……トイレ行ってくる」
そうだ、トイレで流してしまおう。
あたしの中の煩悩を全部、水に流してしまおう。
トイレと言えば……スク水ってトイレ大変そうじゃない? あの構造だと……ずらしてするのも無理じゃない?
え、じゃあ脱ぐの? 裸になっちゃうの? リョーコ、ここで裸になって……しちゃうの?
ってオオオオオオオオオオオオオオオイ!
煩悩流しに来たのに煩悩塗れになってどうすんのよあたし!
は、早く出さないと。煩悩流さないと。
うっく、ダメだ。別にもよおしてたわけじゃないからちょびっとしか煩悩出ない。
…………。
仕方ない。諦めよう。あたしは煩悩のままに、煩悩と共に生きるんだ。
そう、これは仕方のないことなんだ。
というわけで改めて煩悩空間へ。さぁ、新たな刺激を――
「はぁ~、疲れました~」
「付き合わせてしまってごめんなさいね」
「いえ、楽しかったですよ~」
……汗だくになったみちるが仰向けに寝転がって……ヤバい何これエロ過ぎでしょ。
でっかいお山が横にひろがっちゃってますねぇ……あっ、あっ、この位置からだと胸の谷間がモロに見え――
――ゴンッ
「どうしたの由利子? なぜ突然顔面から倒れ込んでいるの?」
「あ、いや、ちょっと足を滑らせちゃってね?」
「大丈夫かしら? 鼻血とか出ていない?」
「あ、今回は大丈夫。出てないから」
ギリギリ……セーフ!
ちょっとでも煩悩流しておいたおかげかな。危なかった……。
━━━━━━━━━━━━━━━━
いや~、気が付いたら熱中してしまった。
さすがに何度も見てれば慣れちゃうからね。途中からはゲームの方に集中できた。
……見慣れるほど見れちゃうって凄くね?
なにここそういうお店なの? ひょっとしてお金取られちゃう?
まぁそれはそうとして。
「時間経つの早いなぁ。もうこんな時間なんだ」
「そうね、お昼にしましょう。今日は由利子の提案でバーベキューなのよ」
「準備はあたしに任せて。みちるは疲れたでしょ? ちょっと休んでてー」
「バーベキューですか~。楽しみです」
リョーコの家には立派な七輪があったからね。いつかやろうと思ってたんだよね。
さーて。そんじゃま、やりますか。
「え、その格好で外に出るんですか?」
「え、当たり前じゃん」
わざわざ着替えるのも面倒だし、水着でバーベキューってビーチにいるみたいでいいじゃん?
ここ日本家屋だけど。
「誰かに見られたらどうするんですか!?」
「誰も来やしないでしょー」
心配性だなー。郵便屋さんだって門の中までは入って来ないし、お客さん来たとしても対応するのはリョーコだし。
そのリョーコはスク水だからさすがに着替えさせなきゃいけないけど。
「軍事衛星とかに見られてたらどうするんですか!?」
お、おう……。その発想は無かった。
今日の天気は快晴。なるほど絶好の撮影日和だ。
「じゃ、じゃあ上に何か羽織ってくるといいよ」
散々あたしにいやらしい目で見られといて今更だと思うんだけどね。まぁいいや。
これが時間掛かるんだし。っていうかなんであんなの1人で運べんの?
……………………
…………
よっし、着火できた。
「リョーコ、食器とか運び終わったよね? あとは火見ててくれる?」
「ええ。それにしてもずいぶん手際が良かったわね」
「昨日調べて来たからねー」
今はネットで調べればだいたいのことは分かるからねー。
「え、使い慣れているわけではないの? 任せてと言うからてっきり……」
「いや、初めてだよ? ちょっとやってみたくてさー」
「……まぁ、それでうまくできてしまうのだから大したものではあるのだけれど」
「まぁ? あたしって天才だし?」
「はいはい」
なんだよつれないなー。
まぁ冗談はさておき、次は食材の仕込みっと。
人参に~ピーマンに~タマネギに~しいたけに~。
水着エプロンで食材を切り分けるあたし。我ながらエロい。
でもこういうのはみちるあたりにやらせたいんだよね。絵面的に。
そしてそのみちるが台所を覗き込んでる。あたしの水着エプロンに興味津々かな?
いやこれは食材の方だ。この食いしん坊さんめ。
「いろんな種類の鶏ささみがあるんですね」
「せっかくのバーベキューだからね~。
「それだけ種類があると飽きませんね」
みちるもやっぱりささみ大好きなんだな。まぁささみの嫌いな女子高生なんていないもんね。
さて食材の切り分けも終わりっと。
火の方もそろそろいい感じっぽいかな?
それじゃ、始めますか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます