第74話
side
学校でのゆうくんと
うちの幸い他の人の目がないところで集まれたと思っていたところで、校庭が騒がしくなったので見てみたら岩崎先輩が校門から校舎へ向かって歩いている姿を確認できた。
昨日の今日での目的はゆうくんかわたし達くらいだろうと思いどちらにしても関わりのあることなので行ってみるべきだと思ったし、朱音ちゃんも芽衣子も同じだと思ってふたりの目を見ると目が岩崎先輩のところへ行くべきと物語っていたのでお互いの意志が通じていると言わんがばかりに頷いてから岩崎先輩がいる方へ向かって移動した。
急ぎ足で移動した甲斐もあって岩崎先輩が昇降口へ着くと同時にわたし達も昇降口へ到着し、岩崎先輩と対峙することができた。
「岩崎先輩、昨日はご迷惑をおかけしました。今日はどの様な御用でいらっしゃったのですか?」
わたし達を代表して話をするつもりはなかったのだけど、考えるより先に言葉が出てしまったので、わたしが一歩前へ出て代表して話をているような態勢になった。
「こんにちは、
昨日の今日ですけど、お元気そうで良かったです」
「おかげさまで元気です。それでどんな御用なのでしょうか?」
「それですよね。実は初芝さん達にもお話があったのです」
「わたし達にですか?」
「そうです」
「それはここで聞いても良い話ですか?
それともどこか人が居ないところで聞いた方が良い話ですか?」
「そうですね。私としてはどちらでも構わないのですけど、内容もわからず他の人に聞かれても嫌でしょうし、どこか人が居ないところへ移動しましょうか。
でも、その前にたゆとも合流したいですね」
岩崎先輩はそう言うとスマホを取り出して操作をし始めた。
「
「え!?
たゆっ!?」
岩崎先輩はスマホを操作している死角から姿を表したゆうくんに驚いた様子だった。
「ええ、優斗です。
校庭が騒がしくて見たら陽希さんがいらっしゃったので、僕に用事かもしれないと思って確認しにきたんです」
「ちょうど良かったわ。初芝さん達にも話したいことがあったし、一緒に来てもらっていいかしら?」
「もちろん良いですよ」
わたし達5人は昇降口から近い芽衣子のクラスへ行くと生徒が誰も残っていなかったので、この場所を使わせてもらうことにした。
「それじゃ、さっそく岩崎先輩の御用を伺わせてもらってもいいですか?」
それぞれが視界に入るように円になるように陣取って椅子へ腰掛けたところで岩崎先輩に本題を促した。
「まずね、たゆに私と同じ高校に進学して欲しくてお願いしにきたの」
「陽希さんと同じ高校ですか?
噂で聞いたような気がしますけど、けっこうレベルが高いところじゃなかったでしたっけ?」
「まぁ、高い方ではあるわね。
「無理ということはないでしょうけど、けっこう難易度が高いですね」
「たしかに難易度は高いと思うけど、効率的に受験勉強ができる様に秀優受験対策ノートを作っている先輩が居て、そのコピーをもらえる約束してあるから考えてみてくれないかな?」
「それはありがたいですけど、その先輩さんはどうして秀優高校受験用の対策ノートを作っていらっしゃるのですか?」
「その先輩は今中学生の妹さんと家族ぐるみで姉弟のように付き合っている幼馴染みさんがいて、その人達が受験するからって自分や後輩の経験や受験用のテストを作る先生のクセとかをまとめたんですって。
私は今年の受験の試験問題の提供などで協力したからそのお礼も兼ねてコピーさせてもらえるの」
「なるほど、その妹さん達のためだから自分が終わっている受験のためのノートを作られているのですね」
「そう、その先輩はすごく優しくて頭もいい素敵な人なの。
今3年生で今年大学受験なんだけど、最難関の大学が第一志望なのに模試の判定が合格圏なのよ」
しばらくその先輩さんの話を聞き、ゆうくんも進学先として検討するということを約束し、更にはわたしや朱音ちゃんも一緒に進学を考えるという話をしてから今度はわたし達へ話したかった本題の話をすると仕切り直した。
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