第50話
side
進級し私は2年生にお姉ちゃん達が3年生になった。
クラス替えは学年が違う
それ以外にも2学年はクラス数の関係でフロアが別れてしまうので別フロアになってしまうと疎遠になりやすくなってしまうのだけど、1年の時にクラスで仲良しグループだったみんなはクラスは違えど同じフロアでそれは良かったと思う。
始業式を終えて家に帰ると先にお姉ちゃんが帰ってきていた。
「ただいま。お姉ちゃん先に帰ってたんだね・・・って、どうしたの?」
お姉ちゃんはとても落ち込んでいる様子だったので、心配になって尋ねてみた。
「うんとね。今年もゆうくんや
「しょうがないよ。クラス数が多いんだし。私だって1年の時の仲良しグループのみんなとはほとんど別のクラスだったよ」
「そうだよね・・・でもさ、ゆうくんと朱音ちゃんは同じクラスになってたの」
「そうなんだ。朱音さん、ラッキーだったね」
「そう。朱音ちゃんはラッキーで、わたしはアンラッキーだったの」
「それで落ち込んでたの?
それを言うなら私なんか学年が違うから絶対に同じクラスになれないんだよ?」
「ごめん!
そうだよね、芽衣子だってゆうくんのことが好きなのに・・・今のはわたしが無神経だった!」
「いいよ。私は最初から諦めないといけない状況だから納得できてるし、特に今のお姉ちゃんの立場だったら優斗さんと同じクラスにでもならないとバレンタインの件の失敗を取り戻すチャンスだって少なくて落ち着かないだろうし・・・」
「芽衣子ぉ・・・ありがとう。
でも、本当にそうなんだよね。これからどうしよう・・・」
「もうさ、お姉ちゃんの誠意を見せるしかないよ。
優斗さんは優しい人だし、公園デビューの時から一緒だったお姉ちゃんを嫌いにはならないって」
「そうかなぁ・・・」
「そうだよ。
ただ、付き合うとかそういう気持ちがちょっと減ってしまっている様な感じなんじゃないかな?」
「そうだといいけど・・・」
優斗さんから気持ちを聞いているから私は確信を持って言えるけど、お姉ちゃんの立場だと不安でしょうがないのだろう。
私だって欲をかいて変なことをしてしまったら、どんな風に思われているのか気になってしまう。
「そうだよ。それにお姉ちゃんはこれから受験なんだし、優斗さんのことにかまけてると高校へ行けないよ」
「そうだよね・・・受験もあるんだし、ゆうくんのことばかり考えてうじうじしてたらダメだよね・・・」
お姉ちゃんはなんとか気持ちを前へ向けてくれそうで、その点は良かった。まだ告白から時間が経ってないから気持ちの整理が付いていないだけだと思うし、お姉ちゃんには受験も頑張って欲しい。
それにしても・・・更に話を聞けば、優斗さん達とは隣のクラスなので体育とかでは同じ組で授業を受けられると言うことで、学年からして違って絶対に一緒の授業を受けられない私からしたら羨ましい状況だった。
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