第47話
side
今日、
わたしが行った罪を告げた時にゆうくんは汚物を見るような目付きになった・・・一瞬のことだったけれど、間違いないと思う。
わたしが行ったことはそれほどまでに罪深いことだったのだと、痛いほど理解できた。
逆の立場になって考えればすぐにわかることだ・・・自分の気持ちを試そうとする人に対して嫌な気持ちになるに決まっている。たとえそれを行ったのがゆうくんだったとしても、いやむしろゆうくんだったら強い失望感を覚えるに違いないと思う。
大事な相手だからこそそういう卑怯なことをして欲しくないし、いざそんな事をされれば大きな反動で嫌いになってしまうこともあると思う・・・ゆうくんがわたしの事を致命的に嫌いになっていなかったら今度こそは間違えずにちゃんとしたいと思うけど、もうそんな状況ではないのかもしれない。
芽衣子に朱音ちゃん、それに塾の女の子。あと卒業式の日に連絡先を交換していたらしい
でも、芽衣子も朱音ちゃんも真剣だったから今後は積極的にアピールしていくだろうし現実的じゃないと思う・・・付き合って別れることも考えられるけど、それはいくらゆうくんの事でも願いたくない・・・わたしがいるからと自分の気持ちを潜めて応援してくれていた芽衣子と朱音ちゃんのように自分の気持ちを押し殺して応援しようと思う・・・きっと自分のあやまちを後悔し続けると思うけど・・・
コン、コン。
「お姉ちゃん、いま話をしたいのだけど、大丈夫?」
考え込んでいたらわたしの部屋をノックする音と芽衣子の尋ねる声が聞こえた。
「いいよ。入って」
「お姉ちゃん!?
大丈夫!」
芽衣子は部屋に入ってわたしの顔を見るなり驚いた表情になって駆け寄ってきた。
「どうしたの?
わたしは大丈夫だよ?」
「何が大丈夫なの!
思いっきり泣いてるじゃない!」
「え?」
改めて自分に意識を向けるとたしかに目頭が熱いし頬を伝う液体の感触がある・・・泣いていたようだ。
「やっぱり私と朱音さんが優斗さんに告白したから?」
「それは関係ないよ・・・むしろ、今までわたしのために気持ちを出さずに応援してくれていたのにそれを台無しにするような事をした自分に腹が立っているよ。
改めて馬鹿なことをしたなぁって悔やんでいたところ」
「でも、それだけじゃなさそうに見えるよ」
「・・・うん。
実はね・・・わたしがゆうくんに
それはしょうがないと思うんだけど、そんな事をした自分が本当に情けなくて・・・」
「そんなことがあったんだ・・・たしかに優斗さんに怖い目で見られたら悔いしかないよね・・・」
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