第35話
side
お姉ちゃんのバレンタインチョコから始まった騒動は3年生が卒業して居なくなってやっと落ち着いたように思う。
お姉ちゃんが怪我を負わされて動くのが辛そうだった時は優斗さんも積極的に登下校に付き添ってくれていて・・・怪我人に対して思うのは本当はダメなのだけど・・・お姉ちゃんが羨ましく思えるくらいに甲斐甲斐しくフォローしてくれていた。
優斗さんが部活をしなくなったからお姉ちゃんだけでなく私も一緒に居られる時間が増えてお姉ちゃんへ勉強を教えている時についでに教えてもらったりもしたし、そういう意味では嬉しくも思う。
そんな最近の優斗さんはたまにだけどお姉ちゃんとの距離を遠ざけようとしているように感じる時がある。お姉ちゃんは一緒の時間が増えて甲斐甲斐しくフォローしてもらっていて浮かれているので気付こうとしないし、私が然りげ無く可能性を話しても気のせいだと一顧だにしない。
ただ
そんな思いを抱える中お姉ちゃんの通院に付き合って優斗さんと3人で病院へ行き、お姉ちゃんが診察室で診てもらっている間に二人きりになる機会があった。
「あの、優斗さん。お聞きしたい事があるのですけど良いですか?」
「もちろん良いよ。なに?」
「優斗さん、お姉ちゃんのこと嫌いになってないですか?」
「何を言うの?
嫌いになるわけないじゃないか」
「そうですよね・・・良かった。
でも、例の事件があってからの優斗さんはお姉ちゃんに対して接し方というか、関わり方が変わったような気がして違和感があったんです」
「そうか、芽衣子ちゃんにはそう見えちゃったかぁ。
実を言うとね・・・ずっと前から
もちろん、梨衣子も、そして芽衣子ちゃんのことも大事な幼馴染みだと思っているし、これからも嫌いにはならないと思うけど、その諦めを感じ取って違和感を覚えたんじゃないかな?」
「そうだったんですね。言いにくい事に答えてくれてありがとうございました」
「いやいや、全然構わないよ。芽衣子ちゃんの気持ちは晴れたかな?」
「はい、モヤッとした気持ちがなくなりました」
優斗さんの気持ちがわかったのですっきりしたし、私も自分の気持ちに向き合おうと思った。
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