第28話
side
ゆうくんがLINEのメッセージを読んでくれないまま数日が経ってしまった。
ゆうくんからの伝言を受けた
今更だけど、本当になんて馬鹿なことをしたんだろうという思いしかない。
今日の分の課題が終わったところで夕食のための買い物をするために出掛けようと家を出ると大きい人がいきなり襲いかかってきた。
お腹に衝撃を受け堪えられなくなり
その後も罵声とともに何度も蹴られ痛みの感覚が麻痺し意識を失った。
意識が戻ると全身から鈍い痛みを感じた。見知らぬ風景の部屋でどこかの病院の病室だと察した。
「梨衣子!
気が付いたのね!
大丈夫!?
看護師さん呼ぶわね!」
わたしの目が開いたことに気付いたお母さんが勢いよく声を掛けてくれ、ナースコールをしてから抱きしめてくれた。
身体のあちこちの痛い部分が刺激されて痛みが増したけど、お母さんの心配してくれている気持ちが伝わってされるがままになっていた。
看護師さんが来ると、お母さんに身体のあちらこちらに痣ができていて痛いはずだから離してあげてと言ってくれて、ようやくお母さんは抱きしめるのをやめてくれた。
まずはわたしの状態を聞くと全身が多数の打撲をしている状態で、脳や臓器など重要な部位は無意識に庇えていたためにあまり打撃を受けないで済んでいたので命に別状はないとのことだった。
次にわたしを襲った大井先輩について聞くと通りかかった近所の人たちが止めたり警察へ通報したりしてくれたおかげで、先輩は警察に捕まっていて取り調べを受けているそうで、その関係でわたしにも後で事情を聴取しに来るということらしい。
その時に何か教えてもらえるかもしれないけど、お母さんはそれ以上のことは知らないとのことだった。
それから芽衣子や朱音ちゃんがお見舞いに来てくれたけど、ゆうくんの姿はなかった。
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