第19話
side
バレンタインから始まる
梨衣子のことが気になって集中できなかったけど、初日の今日は日頃の練習の成果もあってレギュラーの面目を保てたと思う。
バスに乗っていただけとは言え長距離の移動があって、現地へ着くなり練習試合と合同練習で身体を動かしっぱなしでクタクタだった。
初日スケジュールが終わって合宿所へ移動し、着いてすぐに夕食の時間でそれを食べたら休む間もなくお風呂の時間で指示されるがままに体を動かしなんとか行動していたけど、疲れで身体が重く、そして眠くてしょうがなかった。
僕はお風呂から出てから意識を失う様に眠ってしまった。
目が覚めたら日曜の朝になっていて起床時間より早いため他の部員たちはまだ寝ているけど、十分寝ているので二度寝をする気にもならずスマホを見て起床時間まで待つことにした。
スマホを見るとLINEの着信が数十件あって確認すると、そのほとんどがこの場にいるサッカー部の仲間からだったので、それから確認したら大井先輩が梨衣子とセックスしたという本人からの連絡があったという内容で持ち切りで、送信された時間を見ると消灯時間を過ぎていたので布団の中から起きていた部員たちがその話題について盛り上がっていたようだ。
大井先輩からの情報は細かく書かれていた様で先輩からのメッセージを直接読んだ部員のひとりが『エロくて興奮する』と連続投稿していて、その掻い摘んだ書き込みを読むだけでも興奮させるものだというのは理解できた・・・でも、相手が梨衣子なので興奮とかする前に大きな喪失感を覚えた。
早いとは思った。けれども大井先輩は多くの女子とそういう事を何度となくしてきている事は知っていたし、その内容自体は驚くことではない。それでもそんなにも早く梨衣子と大井先輩がそういう関係になってしまったというのはとても失望した。梨衣子はそんなすぐ身体を許すような軽い性格ではないと思っていたのに、大井先輩が相手なら付き合い始めて3日でそうなるのかと・・・
そのLINEのメッセージを見てからの記憶は曖昧で気が付いたら合宿所を出て遠征先の学校へ着いていて合同練習が始まっていた。
ほとんど意識がない状態だけど染み付いているからか身体はちゃんと動けてて部の仲間や他の学校の人達に迷惑をかけずに済んでい・・・
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