第15話

side 浩史ひろし


俺の中学校生活はサッカーでは大活躍で女は取っ替え引っ替えセックスして充実していた。しかし、何があっても我関せずでクラスが別れた2年からはほとんど接点すら無くなった岩崎陽希いわさきはるきの事だけは時々引っ掛かりを覚えムシャクシャしていた。

学校でももっとも男子人気がある陽希を自分の女にしたいと思いつつも無理に近付くと今ある立場が壊れそうでもあったので、寄ってくる中でもいい女をモノにしてそれをアピールすることで揺さぶろうとしていたが、どれも不発で俺への興味の片鱗すら感じさせないまま3年の三学期を迎えていた。


俺はサッカーの実力を買われてサッカーが強く学力も高い私立に推薦が決まっていて悠々自適と言った状況になっていたところで、中学生活最後のバレンタインデーを迎えた。


何人もの女がチョコを渡しに来たなかで、2年の中では一番とも言える美少女の初芝梨衣子はつしばりいこがチョコを持ってきて、今まで全く接点がなくどういう風の吹き回しなのかわからなかったが、陽希と並べても遜色がない美少女からのアプローチを逃す手はないと付き合う様に誘い、断られてもお試しでと食い下がって付き合うことになった。


リイコ自身もいい女だけど、中学生活が残り少ないことやリイコを当て馬にすれば陽希が靡くかもしれないという打算もあって今まで有耶無耶にしていた陽希との関係が周囲の誤解をそのままにしていた事のネタバラシをして動くことにした。


当日家に帰ってから仲の良い連中にリイコと付き合うことと陽希とは周囲の誤解をそのままにしていただけで付き合ってはいなかった事を学校中に広めるように頼んでいて、翌日の朝に登校した時点でその話があちこちから聞こえてくるようになっていた。

更に陽希に揺さぶりをかけるためにリイコとってしまおうと、明日か明後日の土日のどちらかでデートをしようと誘ったら明日でと返答があって待ち合わせ場所と時間の約束も行った。


その間、真相を知った元浮気相手の女の何人かが問い詰めに来たが、結果として俺は浮気じゃないし浮気のつもりで付き合っていた女の方が分が悪いので口調を強めに言えばすぐに軽く追い返せて、それでも形振り構わずしつこかった女は連絡先ごとブロックした。どうせ卒業したら会うこともないだろうし構わない。

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