第11話

side 梨衣子りいこ


大井おおい先輩と付き合う事になったと言うことで憂鬱だったけど、そんな事はお構いなしといった具合で朝から大変だった。

羨望や嫉妬、それに間違った正義感からくる叱責など色々な強い感情が向けられ休み時間が精神的苦痛の時間になって今までで一番授業時間が待ち遠しく思える状況だった。


更に大井先輩から明日か明後日の土日のどちらかでデートをしようとLINEを送られてきて一層気が重くなる。


本当は早く朱音あかねちゃんに相談をしたかったのだけど、教室のフロアが違って教室が遠いので授業間の10分休みでは行けず、待ち望んだ昼休みになったので朱音ちゃんのクラスへ向かっていたらすれ違った先輩から『岩崎いわさきさんに失礼だ思わないの!』という詰問を受けてしまい出遅れてしまった。


朱音ちゃんのクラスへ辿り着いた時には、朱音ちゃんは席を外していて朱音ちゃんの席で戻ってくるのを待たせてもらった。

その間も朱音ちゃんのクラスの人達から注目されてしまい、視線は攻撃的なものばかりではなかったもののそれでも心が擦り減らされる思いだった。


そして、朱音ちゃんが戻ってきたので人気ひとけのない場所へ移動して相談させてもらった。

ある程度予想はできていたけど、ちゃんと同じ方向で考えを示してもらえるのはありがたかった・・・諦めるしかないと思っていた大井先輩とのデートについては、わたしも避けられなそうだと思っていた通りで、観念するしかないと覚悟を決めることができた。

また、わかっていたことだけどゆうくんにも生徒たちの好奇心が向いていて巻き込まれているみたいで朱音ちゃんに対してと同じ様に申し訳ないと思う。


朱音ちゃんと別れて教室へ戻る途中で明日の土曜日に先輩とデートできると返信をした・・・仕方がないとは言え先輩とのデートで更に気が重くなり、帰りのショートホームルームが終わったら逃げるように学校を出て、後から部活のグループへ休みの連絡を行った。



気が付くと先輩からLINEの返答があって明日の待ち合わせ場所と時間の確認が来ていた。場所は遠くないし、時間も昼の健全な時間なので問題ないと思って了承の返答をした直後に疲れが一気に出てきてしまい、眠気が襲ってきたのでそのまま寝てしまった。

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