第十二話 小包の中身

 部屋に戻ったヒナは、部屋のテーブルの上でクリシュナから送られてきた小包を開ける。


(『小包は、部屋でヒナが一人の時に開けてね』って、何が入っているんだろう・・・?)


 小包の中には、メモと雑誌が入っていた。


(『私もナナイから貰ったの。私には、もう必要なくなったけど、ヒナにはこれから必要だと思うから、贈るわ』って?)


(雑誌・・・??)





 ヒナは、ベッドの上に雑誌を置くと、自分もベッドの上に座り、雑誌を広げて見る。


 雑誌の表紙には『特集:思春期の男の子の生態と夜の営み』と書いてあった。


 ヒナは、女性向けの雑誌の中でも、『低俗な部類』に入る、この手の雑誌は全く読んだ事が無かった。


 雑誌の頁をパラパラと捲り、記事に目を通す。


(・・・『思春期の男の子はヤリたい盛り。四六時中セックスの事ばかり考えている』!?)


(『彼女の居ない男の子は、夜な夜な自分で性欲処理している』って!? そ、そうなの??)


 興味津々でヒナは、更に記事を読み進める。


 折れ目の付いた頁があり、見出しに『夜の営み、女の嗜み』と書いてあった。


(『夜の営み、女の嗜み』って・・・?)


 ヒナが、興味津々でその頁を捲ると、図解入りで口淫の仕方が書いてあった。


(ええっ!? アレを口で咥えるの??)


 恥じらいと興奮から、みるみるヒナの顔が赤くなる。


 ヒナは、図解と解説に真剣に見入る。


 真剣に雑誌の図解と解説を読んでいるうちに、ヒナは自分の下腹部が熱くなっていることに気が付く。


 ヒナがローブを捲りあげて下着を探ると、下着はしっとりと濡れていた。


(・・・どうしよう。私、こんなになってる・・・)






 不意に部屋のドアが開けられる。


 ジカイラが部屋に戻ってきたのであった。


 部屋に戻ってきたジカイラの目に写ったのは、ベッドに座ってローブの裾を腰の上まで捲りあげ、真っ赤な顔で下着の中に手を入れているヒナの姿。


 ジカイラの目には、どう見ても、ヒナは自慰の真っ最中にしか見えなかった。


 ジカイラが口を開く。


「いあ・・・すまん。自分でしていた所だったのか」


「ち、違うもん!!」


 ヒナは真っ赤な顔で否定しながら、雑誌をベッドの下に隠す。


 ジカイラはヒナの隣に座り、悪びれた素振りも見せず続ける。


「何も自分でしないで、したくなったらオレがいるんだから言えばいいのに」


 ヒナは恥じらいから耳まで赤くなって必死に否定する。


「だから、違うってば!!」 


 ジカイラはヒナの腰を両手で掴むと、ベッドの真ん中にヒナの体を動かして寝かせ、そのまま両手でヒナの両膝の裏側掴むと両足を広げ、下着を脱がす。


「あーん。もぅ」


 ジカイラが問い質す。


「こんなになっているぞ? どう見ても『自慰の真っ最中でした』って感じだが・・・」


 ヒナが両手で自分の顔を隠す。


「もぅ、恥ずかしい!!」


「誰にでも性欲はあるんだから、別に隠さなくても良い」


 そう言うと、ジカイラは口で吸い舐め上げる。


「んあっ!」


 快感にヒナは体を反らせる。


(ああ・・・。口で・・・、舌で・・・そんなところを・・・)


 ヒナは羞恥から顔を背けるが、痺れるような快感にヒナはよがり始め、声を漏らす。


「あああっ・・・」


「はぅ・・・あっ・・・はっ・・・」 


「あぅ・・・わ・・・」 


 そう口にすると、ヒナはクタッと動かなくなる。





 羞恥と快感の中で、ヒナは初めて性的絶頂に達した。


 ヒナは全身が汗ばんで息遣いは荒く、顔だけでなく、耳や首、胸元まで紅潮していた。


 ジカイラはヒナの傍らに寝そべって抱き寄せると、ヒナの額にキスする。


「・・・寂しい想いをさせていたようだな。すまなかった」


 ヒナはジカイラに答える。


「ううん。大丈夫」


 二人は互いの体温の温もりを感じつつ、深い眠りに就いた。

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