配信する覚悟は出来てるか?ワイは出来てない


ワイことダンボールMan(本名山県在昌←だから要らん情報寄越すな)は風呂に浸かりながら頭を掻きむしりながら叫ぶ


「切り忘れしてもうたぁぁぁ!次の配信する時どうしよ…」


壁が薄い為隣の住民がドンッと壁を叩く

それで落ち着きを取り戻し風呂から上がる


(明日も早いから寝ないと…)


瞼を閉じて明日の事考えている内にワイの意識はまどろんでいった



◆◆◆



ピピッピピッ


そんな音と共に意識が覚醒する


(金曜…今日行けば休みだァ、立つんだッ!立ち上がれぇ!ワイは長男や!)


ベッドから何とか長男パワー(?)でモゾモゾ芋虫の様に蠢きながら起き上がりスーツに着替え朝ご飯を食べ歯を磨き会社に出勤するそんな毎日の繰り返し


「山県さん、少し良いですか?」


ふと声をかけられ思わず身体がビクッと跳ね上がってしまう。


「な、何ですか橘さん?」


自分の上司に声を掛けられ少し緊張しながら言葉を返す


「前お願いした次の会議の資料何ですけど…」


「次の会議の資料ですか?えっと確か此処に…」


自分の仕事机を漁り資料を渡す


「有難うございます!山県さんは仕事が早いですね!」


上司の橘さんは凄い人だまだ26歳なのに課長までに登りつめた会社の中でも度々会話に上がる程の美人で思わず欲しく褒められたワイは鼻の下を伸ばす


そんな事をしている内に定時になって帰る準備をしていると同僚達に飲み会に誘われた


「お~い山県ぁ飲みに行こうず」


同僚の一人の竹内が馴れ馴れしく肩に手を回して来る


「あー今日は用事があるから無理や」


「え〜」


「また今度な〜」



ワイは会社を出て7時頃には家に着き風呂に入って晩飯喰ってとか色々準備をしていたら時計の針は8時を指していた


(スゥ………)


ワイはゲーミングチェアに座りパソコンのカーソルを配信開始のボタンの上に置いていた。


(………)


ボタンを押そうとすると手に謎の力が働き腕が思うように動かない←単純に覚悟が決まってないだけ

覚悟が決まらないワイの脳内に某有名な漫画の名台詞が流れ込んでくる


「配信する覚悟は出来てるか?ワイは出来てない……………ってちゃうねん!」←エセ関西弁使い


再び呼吸を整え再び漫画の名台詞を言おうとする


「ダンボールMan、迷ったら『配信するな』……だ」


一呼吸置いてからワイは身体の全細胞から捻り出したありったけの勇気を乗せ叫ぶ


「だがもう迷いは無いッ!」


自分の出せる渾身の力でマウスをクリックする



「ダンッボールッティク!者共ぉ!こんちくわンコそばかすベイビー高村!」


コメント

・待ってた

・お、早速Vの姿やん

・killちゃんのVの姿見たいな

・↑killちゃんじゃあ無いkillスナイパー様だ間違えるな下種がッ!

・killちゃん過激派が湧いとる

・killちゃんじゃあ無いkillスナイパー様だ何度も言わせるなドブカスがッ!

・挨拶が濃い、だがそれで良い

・挨拶ソムリエニキもようみとる

・お、配信切り忘れニキやんオッスオッス

・配信を切り忘れた人がいると聞いて

・無言配信終了ニキこんばんは~


「えー昨日配信を切り忘れた挙げ句無言で配信を終了させてしまった事、深くお詫び申し上げまする」


ワイのアバターは頭を下げる


コメント

・も、もう(〃ω〃)今回だけなんだからね!!

・し、仕方ないわね…

・べ、別にアンタのためじゃないんだからね!

・これに懲りたら二度としないで頂戴!

・ツンデレニキ湧いとる

・カ オ ス

・男のツンデレは需要無いと思うの…

・は?あるが?有りまくりなんだが?

・女なんだが?


いつ見てもうちの米欄はカオスや〜(現実逃避)


コメント

・まあ何だ…動くkillちゃんを見られる事は感謝してやる

・↑何だコイツ

・↑なんだこいつ

・↑ナンダコイツ

・此処までがテンプレ

・こっからがテンプラ

・こっからがダンボールManなんです


コイツらワイのファンじゃなくてkillのファン説(濃厚)


「今日は丁度金曜なんで先月発売されたセルタの伝説プレスオブザワイルドをクリアするまでPlayしようと思いますわ!」


コメント

・あの厄災リングを止める勇者ギャノンの物語か!

・ダニィ!?

・神ゲーキター!

・おいおいアイツ死んだわ

・プレワイストーリー長いで?

・あっ(察し)

・ダンボールMan…墓は作っといてやる…

・いいヤツだったよ…お前は…

・✝←ダンボールManの墓

・花持ってきます

・ならおいどんは線香を

・そんならワイは蝋燭を


何やコイツら!まるでワイが死ぬ前提で話進め上がって!


「早速やって行こうず!」



一時間経過

『なんや…これ…ワイの魂が言っとるでこの世界を遊び尽くせと…』


五時間経過

『ナンダコノカミゲーハ!』


十時間経過

『良しっ!原始の台地から出れた!そろそろ半分やろ』

コメント

・まだ2割位やで?

・頑張れ頑張れ


『ファ!?』


十五時間経過

『チキン族の村救って、ウオーズ族の里救って、ゴロゴロ族の町救った…後もう少し…』

コメント

・ケルド族のシナリオがいっちゃんムズイで?

・一番怠いガースギャノン出でくるでぇ…


『スゥ…………』


二十七時間三十八分経過クリア

『オラァ゙ァ゙ァ゙ァ゙これで終いやァ゙ァ゙ァ゙!厄災ギャノン゙ン゙ン゙ン゙!』

コメント

・お前の方が厄災ぽい声やぞ

・おつかレンコン

・ネットの玩具になりましたわコレ

・gg

・う る せ え

・鼓膜ないなった

・鼓膜消し飛びました


「ク…クリ…ア出来た…んで配…信を終わりま…する…」



ワイは残りの力を振り絞り配信を終わらせそのまま意識を暗闇へと手離した























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VTuberにて居候 五平太 @sukemaru225

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