VTuberにて居候

五平太

ダンボールManVTuberになる

切り忘れって良くないよね


時は動画投稿戦国時代…萎れたダンボールを被った男がゲーミングチェアに座りながらパソコンの前で話していた。


「ダンッボールッティク!者共ぉ!こんちくわンコそばかすベイビー高村!」


パソコンに向けて叫ぶ彼は動画投稿黎明期を駆け抜けてない男その名も


      ダンボールMan


登録者67万人を抱えゲーム実況から歌、商品紹介、お散歩配信、雑談等幅広く老若男女と幅広い視聴者層を持つ大物(?)配信者だ。(実年齢24歳で配信歴5年間)←要らん情報


コメント


・待ってたぞ!

・挨拶が濃い、だがそれで良い

・何様よ!アンタァ!

・俺様

・何だよ重大配信って

・おせーておせーてぇ

・気になり過ぎて昼と夜しか寢れん

・快眠だねヨカッタネ



「えー会議と言うのはてすね…」


ダンボールManが被ったダンボールを触りながら


「VTuberって知ってます?」



コメント

・知っとるけど見とらん

・見てる

・知ってます!!!

・見とる

・知らん

・聞いたことは…無いですねはい

・無いんかい!


「実はVTuberについてなんですけど」


コメント

・まさか…ダンボールManバーチャル受肉すんのか!?

・バーチャル受肉www

・まさかコラボ!?

・バーチャル化すんの?

・Vか…

・何や!ライバーに文句言うなら相手なるでぇ!


「VTuberとコラボしたい…急募リアルと二次元がコラボする方法」


コメント

・絶対に有りません、確信しています

・リアルと二次元はな…

・まあ住んでる世界違うし(?)

・実際コラボしてるのは見てみたい

・それな

・分かるけど…

・流石に無理だろ



「おぉい!そこ諦めるなぁ!同じ配信者なのに接点無いとか悲し過ぎて琵琶湖出来ちゃうってばよ…」


コメント

・速報琵琶湖二つに増える

・二次元の壁は無理やて…

・アキラメロン

・これが重大配信?



「Not!VTuberとコラボするためには自分自身がVに成るんだよぉ゙ぉ゙ぉ゙!だがら受肉するんだよぉ゙ぉ゙ぉ゙!刮目せよッ!ワイのばーちゃる姿を!」


コメント

・!?

・受肉だと!?

・速報、大物配信者Vチューバーに転生

・見魅せてみろよ、ダンボールMan!

・何にだって成れる筈だ!

・受肉だと!?(二回目)

・萎れたダンボールを〜もう一度被り〜♪

・閃光のダンボール

・何か萎れてそう

・萎れたダンボールはダンボールManの象徴だよ!

・萎れて無い!新品のダンボールだぞ!

・新品のダンボール(5年物)

・それは新品とは言わぬ…


(設定はこうか…)

設定を弄り自分のアバターが映される。


「どうだねワトソン君?」


コメント

・お~

・ただのダンボール被ったおっさんやん

・それがダンボールManだぞ

・おっさんじゃない!お兄さんや!

・リアルと同じで筋肉質や

・筋肉フェチにはたまらぬ

・リアルであの引き締まった身体したダンボールManヤバない?

・何や?今更気付いたんか?

・ダンボールManの筋肉は万病に効く



アバターはリアルの自分と似たような体格にブカブカな服に萎れたダンボールを被った男が映し出されている


「( ・´ー・`)どやぁ」


コメント

・何だ?表情分からない筈なのに感情が何故か読み取れるぞ?

・奇遇だな俺もだ

・ワイもです



「それでは者共次の配信からダンボールMan(Vの姿)で配信するんで見てクリそんじゃまた次の配信で会いましょう!ダンッボールッティク!」


コメント

・ダンッボールッティク!

・ダンッボールッティク!

・ダンッボールッティク!

・ダンッボールッティク!

・ダンッボールッティク!



ワイは配信を終了させ手元にあるスマホで数少ない友達に電話を掛ける、電話が繋がったと思えば音は聞こえて来ない


『…』


「もーしもーし?」


『お掛けに成った電話番号は既に使用されておりません。』


若い女性の声が電話の向こう側から聞こえてくる


「おいゴラ普通にでろ」


『あー何?今アイス食べてんだけど?』


気だるそうな声がスマホのディスプレイ越しに聞こえる。彼女は配信者仲間のkillスナイパーの名前で登録者54万人、主にFPSやTPSの配信をしているプロ顔負けの腕前を持つ配信者だ。俺の数少ない・・・唯一の女友達だ


「kill…お前もVTuberに成らないか?」


『は?』


低い声で返されてしまった…コワイ


「ワイの配信は見た?」


『んー見たよーVTuberに成るんでしょ?』


「ワイ一人でV業界に行くのは怖いからkillにも一緒にVTuberに成らないか?」


『連れションする時の男子見たいな誘い方すんなキッショ』


スマホのスピカーから心無い言葉が浴びせられる

ナイチャウヨ?(勝手に泣いてろ)


「既にkillがVTuberに成るための準備は終わっている( ・ิω・ิ)」


『勝手に準備すんなよ』


「VTuberに成るのに必要な設定方法のパンフ(ダンボールMan作)なりkillのキャラデ、ソフト、機種類は家に送っといた」


『いくら掛かったんだよ…』


「ざっと50万ちょい」


『キッショ』


ナイチャウヨ?(勝手に泣いてろ本日二回目)


「だがらVTuberになって欲しいなぁ〜お願いはぁと♡」


『キモいキモいキモいキモい』


「ホンマお願いですわ神様仏様killスナイパー様ぁ」


『分かったよ…』


あ、言ったね?言いましたね?言質取りましたよ?


「イヤッフウ!」


『代わりに今度のFPSの大会でパートナーとして出て』


ん?


「異議あり!ゲームベタなワイが大会出たら終わりまする!」


『ふ~ん前の大会で5人連続killしてた癖に?』


killが疑うような声色で聞いてくる


「あ、あれはkillが上からスナイプしてくれてたから・・・」


『ハイハイじゃあねー』


プツンッと言う音と共にワイの部屋が静寂に包まれる


「・・・あいつの大会前の練習追い込みきついんだよな・・・」


ワイは3年前の大会の練習の日々を想い出す


あれは…暑い夏の日だった…

ん?ワイはふとパソコンに違和感を覚えパソコンを見るとパソコンがついている。まさか!?


コメント

・お、気付いたwww

・ねぇねぇ今どんな気持ち?

・切り忘れ乙

・俺以外の奴と会ってたのか?

・この浮気者ッ!

・killちゃんがVTuberデビューか…スパチャの用意しとかなきゃ(使命感)

・killちゃんの声かわええ

・killちゃんに罵倒されてて羨ましい

・killちゃんに罵倒されたい人生だった…

・↑どんな人生だよ

・ダンボールMan…ありがとうありがとう

・killちゃんの動く姿が見れるなんて…ダンボールManには感謝しか無い

・ありがとうダンボールManそれしか言葉が見つからないよ

・killちゃんが動く!?閃いた

・通報した

・通報しますた

・取り敢えずFBI呼んできた



切り忘れぇ…てかワイの米欄に少しkillのファンが混ざってんなてかほとんどそうじゃねえか。


「スゥ………」


ワイは無言で配信を今度こそ終了させワイは独り呟く


「………風呂入るか」

































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