第6話 美女と覇者

彼女の声音は アラビヤの旨酒にも勝り

私の臓腑に恍惚と染み渡る

彼女の睫は ダマスクスの刀剣にも勝り

私の心臓を甘美に刺し貫いた

彼女の両頬は シナの白磁にも勝り

私の掌の中に艶やかに滑り落ちる


そして私は彼女の蠱惑的な爪先に唇を寄せて言った


誉めよ 謳えよ そして讃えよ

美しい女を手に入れた男は

世界の全てを手に入れたに等しいと

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