理想死追求者 第9話 ~急激に進む!~

日中は独民で目立たない程度に働いて小遣い稼ぎ!夜中は犯罪者さんを

倒しながら、資金集め!

そんなことを数ヵ月も続けていたら、いつの間にか大きめの家を買えるぐらいの

貯蓄が出来ていた。

まあ、今のご時世、家を売ってでも生き残ろうとする人はいても、必死に働いて家を買おうとする人はいないのよ。

つまり、家の値段が通常の何倍も安いのよ!これが所謂、お買い時ってやつね!

それで、家を買うにあたって、幾つか考えていることがあるんだYO!

実はもう下調べしてて、あり得ないぐらい理想的な家を見つけちった!てへぺろ!

冗談は措いといて、その家について説明して差し上げよう!

ザウェルの郊外・・・いや、ザウェルからかなり離れた位置にある家で、自警団や

騎士団がいない。

そのためか、結構な豪邸なのに通常の家よりも安くなっている。

まあ、犯罪者や魔獣が襲ってきても、誰も助けに来れない場所にあるからな!

だが、人気が少ないのは俺にとっては好都合なんだよ。

それに、ザウェルから結構離れてるから、家の周りを多少開拓しても怒られない!

と思う。

前に話した4つの目標

1、活動拠点第1号を手に入れる。

2、救世界のための組織を作る。

3、そのために、孤児とかを集めて、組織の一員にしようと思っている。

4、1~3を解決するために、資金集めを行う。

の内、4はクリアした。

続けて、1をクリアするためには、孤児院としての役割を果たせる建物が

理想的だった。

それにプラス、広い地下室とかがあったらもっといいな!程度に考えていたが、

俺の予想を上回る良物件が、この家、もとい屋敷だ!

広い地下室もあり、人気も少なく、周りには自由に使える土地がある!まあ、

さっきも言った通り、魔獣が来る可能性があるんだが。

区画境の防衛は、整備されている道に関所を置き、道がない場所には一定間隔に見張り台を置く。

異常があれば、狼煙を上げて各関所に知らせるという仕組みになっている!

だが、夜中にこっそりと侵入してきたり、小型魔獣だったりする場合は、見逃してしまうこともあるそうだ。

まあそれでも、良物件過ぎて気にならないよ!それに!もう買っちゃってるし!ね?


「大きい屋敷だけど・・・二人分にしては、大き、過ぎない?」


顔を引きつらせながら、そう言うトモエに、俺は自身の4つの目標を説明した!

え?ちょっと話すのが遅くないかって?ははは、べ、別に忘れてたわけじゃないゾ(汗)!

しっかりと話したら、トモエは理解してくれた!まあ、事前に話くらいしておいて、と怒られたけど。

それは兎も角、何とトモエも俺の目的を手伝ってくれると言う。

まあ、人助けの範囲内からはでないって言ってるから、事務とか、教育係とか、世話係とかをまかせることになるかな!

それと、これまた急なんだけど、実はもう孤児達を何人か集めてるんだよねぇ~。

主に、親とはぐれたり、親が死んでしまったり、親から捨てられたりして、その日暮らしすらままならない子供達を保護したのと、数ヵ月間の間に、俺の独民の地位もちょっとだけ高くなって、4日間外出許可券を発行できるようになったんだけど・・・

外に出てたら、生き残っている人達と出会ったりするんだよ!

集団生活を好まない放浪騎士とか、村全体で協力して、何とか持ちこたえてるところとか、魔獣を避けながら少しずつガエル区に向かっている集団とか色々だけど、

その中で弱っている子供、もちろん親が死んでしまったり、親とはぐれてしまったりした子だけだけど、そういう子供達を俺が預かる、と言う形で保護している。

ああ、弱ってるけど親御さんがいる子供には、探索で見つけた医療品を幾つか、

お金を持ってたら安く売って、お金を持ってなかったら無償で渡している。

気前が良すぎるって?何か勘違いされては困るが、俺は理想の死を求めて

この世界に来たんだ!

俺がやってることは、全て 『エゴ』 に過ぎないさ!

ああそれと、めちゃめちゃ急だが、少し旅に出ることにした!

いや、違うな・・・遠出して、何日か帰って来なかったりもするけど、出来るだけ

帰ってくるようにするつもりではある!

それに、旅と言うか、各区画の確認や、さっき言った生き残りの人達、彼らの中にはガエル区に来たがっている人達もいるから、そういった人達の救助も行う。

それと最後に、可能ならば、魔獣の発生源に行こうと思っている!

色々と急に進めて、申し訳ないし、現在は救世界のための基盤をつくる時期なんだが、何と言っても時間が足りないんだ!

トモエには迷惑を掛けることになるが、基盤さえつくり終えたら、あとはある程度の時間の余裕ができる!

それまでの辛抱なのだ!

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理想死追求者  ヒーズ @hi-zubaisyu

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