理想死追求者 第8話 ~狩の時間~
とりあえず、やることがなくなったので出かけることにした。
宿屋に泊まったことで、トモエが襲われる心配もなくなったわけでして、俺の寝ないで大丈夫という長所を最大限に生かすためにも、夜間行動を行いたいと思います!
主に、怪しい(犯罪者っぽい)奴らを標的に資金集めをしたいと
考えてるんだよね~。
夢のマイホーム、じゃなくて活動のための拠点を作りたいと考えてるからね。
それで、大まかな目標を幾つか考えてみたんだ!
1、活動拠点第1号を手に入れる。
2、救世界のための組織を作る。
3、そのために、孤児とかを集めて、組織の一員にしようと思っている。
4、1~3を解決するために、資金集めを行う。
日中は独民で働き、夜中は賊共を狩る!わ~お!社畜まっしぐらだぜ!
冗談はさて措き、早急に金と活動拠点が欲しいのは事実だし、寝なくても活動出来るからさっさと目的をこなしちゃおう!イェ~イ!
っと、早速怪しげな人物を発見!
ジョイ=サンの私兵が来る前に頂いちゃうか!
何気に、初実践だな。
一発、どでかい魔法を、と言いたいところだけど、流石に都市の中でそんなことは
できない。
俺が悪役になってしまう。
今回は魔法ではなく、魔闘を使おうと思うゾ!
そう言えば、魔闘について詳しく説明したことはなかったな。
じゃあ、ちょうどいい標的もあるわけだし、実際に見せながら
解説してやりましょう!
まず『瞬歩』、風属性の魔法で脚の部分を強化して、驚異的な移動力と跳躍力を
得る!
この『瞬歩』を使って、敵との距離をある程度縮める。
続いて『静歩』、無属性の魔力を応用して、靴と地面に間に消音効果のある魔力断層をつくる。
『瞬歩』と『静歩』を同時に使って、怪しい人物達の背後に回り込む!
「ケッ、ジョイ=サンの野郎が好き勝手するせいで、商売上がったりだぜ」
片目に眼帯をしている、いかにも悪党と言う男がジョイ=サンについて
愚痴っているようだ。
まあ、今や前線から少し離れれば、騎士よりも自警団の方が多いくらいだし、
ちょっと可哀想だよな、こいつらも。
え?ジョイ=サンの勢力を、貴族がなぜ許しているのかって?
それには深ぁ~い事情があるんですよ。
・・・負債、つまるところは借金だ!
ガエル公含め、ガエル区の貴族の多くが、ジョイ=サンにお金を借りている。
だから、ジョイ=サンの行いを批判できる貴族は、このガエル区にはいないと
言える?かな。
まあ、貴族の借金事情とかはどうでもいいとして、見張り?の人達を
倒してしまおう!
おっと、忘れるところだった。
実は、今日行ったエルデ町で仮面屋さん?みたいなのを見つけて、幾つか仮面を盗・・・拝借してきたのだよ!
えっとぉ~、仮面の種類はぁ~
涙を流す、紳士?の仮面・狩人の仮面・老人の仮面・鬼?が怒っている仮面?等々・・・他にもあるけど、とりあえずこの中から選ぶことにする。
普通に狩人の仮面とかでいっか。
さてさて、顔を隠すための仮面も決まったわけですしぃ~、
早速実践といきますか!
派手にいくか、隠密でいくか・・・まあ、俺ゲームでも隠密苦手だったし、
派手に行こう。
まず、一番近い見張り?に向かって『瞬歩』で一気に距離を詰める。
「あ?」
もちろん、移動の瞬間の風圧と音で俺の存在はバレてしまうが、問題外だ!
敵に拳が届く距離まで来たら、続けて『重拳』、重力魔法を纏わせた拳で相手を
殴りつける。
『重拳』は、そこそこの体格差がある相手に、まるでヘビー級のボクサーに殴られたような一撃を与えることができる。
そこの君。・・・異世界の人間と比べたら、俺の身長が小さいことは否定しない!
が‼・・・俺には、まだ第二次成長期が来ていない!
つまりは、まだまだ身長が伸びる可能性があるということだ!
今に見てろ!身長190越えになってるからな!
それはさて措き、俺の存在に完全に気が付いた見張り達が、俺のことを取り囲むように集まって来た。
ふっふっふ、こういうのだYO!異世界転移?物と言えばなぁ!
体格差がある奴には『重拳』を、体格差がない奴には『瞬拳』、『瞬歩』の拳版を
使って対応する。と、あっと言う間に制圧できてしまうわけですね!
とりあえず、こいつらの懐から財布を頂戴するのと、こいつらが守っていた馬車の中身を頂戴しましょうか!
馬車の中身は・・・木箱でした。
一旦アイテムボックスに入れといて、宿に戻ったら中身を確認してみますか。
もちろん、夜はまだ長いから、まだまだ狩らせてもらうけどね!
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