第303話 オッドアイ金髪ボーイッシュ女を手に入れた夜
「すごい景色だろ〜?」
「たしかにな〜」
オレとクリスは、クロノス神殿の最上階で、夕陽に照らされるレウキクロスの街並みを眺めていた。
最上階の屋上は、白いフェンスで囲われていて、オレたちはそのフェンスに腕を乗せながら、正門の方を眺めていた。
豆粒みたいな人たちが門を出入りしている。
目線を上げると、今日も輪っかは健在だ。雷龍様に乗っかられたのに、びくともしなかったようで、ゆっくりと旋回していた。
「なぁ……」
「ん〜?」
「今日のデート……どうだった?」
クリスのやつが不安そうにオレに質問してくる。
「楽しかった、すごく」
「そっか……」
「うん」
「キミってさ」
「うん」
「僕のこと……好きか?」
もっと不安そうな、消えそうな声だった。
だから、オレは素直に自分の気持ちを伝えることにする。
「……好きだよ」
「ホントに!?」
「うん、でもさ、オレは親友だと思ってる」
「え?………いやだ!」
クリスがオレの肩を掴んで詰め寄ってきた。
「おお!?ちょっと落ち着けよ!」
「やだよ!僕は親友なんて!男友達になりたいわけじゃない!ほら!おっぱいだってあるんだ!」
むにゅ。
泣きそうになりながら、右手を掴まれ、胸に誘導される。
「おお……」
むにゅむにゅ。
「ほ、ほら……おっぱいだって……」
「うーむ……」
むにゅむにゅ。
泣きそうな顔のクリス、そして神妙な顔でクリスのおっぱいを揉むオレ。
これは完全にそういう展開だな、と察する。
オレは目を閉じた。
「ライ?」
「ちょっと待って」
頭の中で攻略スキルを使った。
いつもの検索条件を設定し、
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検索条件
・美少女(年齢不問)
・処女
・現在、恋愛対象がいない
・一夫多妻制への抵抗が少ない
・条件が揃えば旅に出れる
・妻たちと仲良くなれる
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『検索開始』と念じる。
ヒットは……しなかった。
「ライ?ライってば!」
「待てって」
もみもみ。
「あっ!ん……」
検索条件を変えてみることにした。コイツが妻たちと仲良くできないってことはないだろう。
つまり……〈条件が揃えば旅に出れる〉これか。
あと、コイツがオレに恋してるなら……
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検索条件
・美少女(年齢不問)
・処女
del ・現在、恋愛対象がいない
・一夫多妻制への抵抗が少ない
del ・条件が揃えば旅に出れる
・妻たちと仲良くなれる
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そう思いあたり、2つの条件を外して、もう一度検索する。
すると、ヒットした、目の前の女に。
だから、『攻略対象に設定』と念じた。
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クリスタル・オーハライズ
好感度
100/100
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そっか……
オレは目を開けた。
クリスは赤い顔で、でも、いまにも泣き出しそうだった。
だから、オレは左手も伸ばし、もう片方の胸も揉んでやることにした。
「な!?なにするんだ!?」
「おまえが揉ませたんだろ?だからもっと揉んでやるよ」
遠慮なく両手を使って揉みしだく。
「あのさ、おまえ、オレのこと好きなんだよな?」
「あ、ああ……そうだ、僕はキミの、ライのことが好きだよ……なぁ……揉むのやめないか?」
「断る。で、さっきの続きだけど、オレはおまえが男だったとき、コイツはそのうち親友になるかなって思ってたんだ」
「……でも!」
「わかったから待てって。で、今は女としておまえのことを見てる」
「え?」
「今日1日一緒に過ごして、思ったんだ。女の姿になったって、クリスはクリスだ。おまえと一緒にいると楽しいし、気軽に軽口を叩けるのが心地いい」
「なんだよそれ……あっ!……なぁ、揉むのをやめないか?」
「断る。てかさ、オレ、不安だったんだ。おまえとの関係が劇的に変わって、友達じゃなくなるのが。
だから、抵抗してた。今まで通りでいようって。友達のままでいようって。でも、別に、おまえが女だからって今までどおりでもいいんだなって、わかったんだ」
「つ、つまりなんなんだよ?」
「女になったおまえをオレは愛せる。だって、こんなに美人なんだし」
「……サイテー、結局、顔かよ」
「顔も重要。決め手は性格だ」
「なら、許す」
「おう」
「で、いつまで揉んでる気だ?」
「おお?まぁ、一旦離すか」
頬を染めたジト目に指摘されたので、パッと両手を離したら、急に近づかれて、
ちゅ
唇を奪われる。
「ライ、キミのことが好きだ」
「クリス、オレもおまえが好きだよ」
ちゅ
今度はオレからキスをした。
「……恥ずかしい」
「オレだって……」
見つめ合ってそんなことを言う。
まさに付き合いたてのカップルだった。
「もっとしたい……」
「意外と積極的」
「うるさい、キスしろ……深め、のやつ……」
「わ、わかった……いや、ちょっと待て」
「なんだよ?」
「オレ、冒険者なんだけど」
「それが?」
「ずっとレウキクロスにいるわけじゃない」
オレは、こいつとの関係で障害となるだろうことについて切り出した。この問題を無視してクリスのことを求めるのは、ズルいと思ったからだ。
「……」
オレのセリフの意図にすぐに気づいたクリスは少し考える仕草を見せる。
「おまえは聖剣としてココを離れれないだろ?だから、やめるなら今……」
ちゅ。
また唇を奪われる。今度は深いキスだった。
たくさん貪られてから、クリスのやつが離れた。
「それでも好きだ」
「そっか……ありがとう」
今度はオレから抱き寄せて深いキスをする。
うっとりとした顔のクリスはとても綺麗で、目を合わせながら唇を貪っていると、さっき胸を揉んでいたことを思い出してしまう。
「おい……」
「なんだよ?」
「固くなってるんだが?」
「おまえが胸を揉ませたせいなんだが?」
「……する?」
「……え……もう?はやくね?」
「僕はずっと考えてた」
「スケベ女」
「うるさい。したいのか?したくないのか?」
「べ、べつに……」
「ノンデリ優柔不断男」
ここぞとばかりに身体を密着させ、挑発してくる聖剣女。
「……したい」
「……なら、しよう。ほら」
クリスがスカートをまくりあげてきて、また白いレースの下着を見せてきたから、仕返しにオレの方も見せてやった。
クリスは赤い顔でそれを見て、オレたちはお互いに準備をはじめることにした。
♢
「ホントにココでするのか?誰かきたらやばいんじゃ……」
「大丈夫、誰も上げるなって言ってあるから」
「そ、そうか」
「早くしてよ……この格好、恥ずかしいんだぞ……」
「おまえが勝手に……いや、わかった」
クリスのやつは、フェンスを両手で掴んで、こちらにお尻を向けていた。女性らしい下着が目の前にある。
そろそろ空も暗くなってきて、屋上に設置されている魔法石が点灯を始めている。
正直、すごく扇情的なシチュエーションだと感じていた。
オレは後ろからクリスに近づく。
「いくぞ?」
「ああ……こいよ」
男前なセリフをいうクリスに、オレも男らしく覆いかぶさった。
「ぐっ……」
「大丈夫か?」
「そ……」
「そ?」
「粗チン……」
……はぁ?ムカッ!
突然の侮辱にオレの頭には怒りマークが発生する。
なんですって?
オレのエクスカリバーに向かって粗チンですって?
許せないわ、おまえのエクスカリバーとどっちか強いかわからせてやろうか!
「へー?」
「ははは、冗談だよ……ちょっと、すごくてさ……ビックリしちゃって……」
「悪かったな粗チンで」
「あれ?ライ?怒ってる?あー……優しくしてほしいなぁー、なんて?」
「痛みが引いたらわからせてやるよ」
オレはアイテムボックスを開いて、ガサゴソと中身を漁る。
「何する気だ……こわい……」
挑発してきたくせに怯えているクリスを無視して、オレはポーションを取り出し、クリスの傷口にかけてやる。
「きゃ!?冷たいよ」
「これで痛くなくなっただろ?粗チンかどうかわからせてやるよ」
オレはブチギレマークを付けたまま、遠慮なく行動し始めた。
「あ!おい!このノンデリ男!」
「いや、さっきのは明らかにおまえが悪い。ノンデリ女め、わからせてやる」
オレは、満足するまでこの女を堪能することにした。
クリスのやつがなんて喚こうが、止まるつもりはまったくなかった。
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