第209話 ライトニングダッシュ(仮名)
ミリアの強化魔法のクールタイムが終わるまでしばらくかかりそうだったので、モンスター討伐を先にこなすことにした。
昨日と同じ、触手植物モンスターを倒していく。
今日は前衛1人で戦い、3人で交代しながら倒すことにした。前衛2人で戦うと、弱すぎてハリがないからだ。
コハルが舞うように双剣をふるっている姿を見てミリアがつぶやく。
「コハルちゃん…つよい、なぁ…」
「そうですね、わたしたちはしっかりサポートしましょう」
「うん…リリィちゃん…」
20匹くらい狩って、ランチを食べたので、そろそろ強化魔法使えそうかな?と確認したところ、
「うゆ…できそう…」と答えてくれたので、また午前中と同じ草原に戻ってきた。
「よし!さっそく試してみよっか!」
ミリアの前に立って、両手を広げる。
強化魔法カモン!
「うん…いくよ?…ぽかへい…」
コクコク
「すぅ……おにいちゃん!がんばってー!!」
ぽかへいに集まった光が放出され、オレの身体にスゥっと入ってきた。
「慎重に魔力を練るのよー!」
オレが両足に魔力を貯めようとダッシュのポーズをとると、ソフィアが遠くから声をかけてくれる。
「わかったー!」
それに答えて、「慎重に、慎重に、」と呟いて集中する。
お腹あたりで魔力を練って、手じゃなくて足から魔法を放出するイメージ。
ゆっくりとゆっくりと、地面の斜め後ろに飛ばすんだ。
「……ライトニング!」
バシュッ!
以前とは違い、鋭い音が両足から鳴り、オレの身体が前方に飛び出した。
「ぐぬっ!」
予想外にうまくいったことで体勢が整わない。
10mほど飛び出したところで着地して、また跳ねる。
「おとと!」
何歩も前にもたついて転びそうになったが、今回は無事立ったまま止まることができた。
「できた……できたー!!」
みんなの方を振り向き、両手を握って空に掲げてぶんぶんと振り回す。
みんな、「おぉぉ」という反応をしている。
すぐに走ってみんなのもとに戻る。
「できたできた!!」
「すごいじゃない!」
「さすがライさんです!」
「必殺技だ!カッコいい!」
みんな褒めてくれる、気持ちぃ~。
「おにいちゃん…しゅごい…」
「ミリアのおかげだ!ありがとなー!」
脇を抱えてだっこする。
「わっ!……えへへ…」
クルクルとそのまま回った。
「……」
あれ?そこで違和感に気づく、いつも褒めてくれる子の声が聞こえてこない。
「ありがとな、ミリア」
「ううん…役に立てて…うれしいの…」
ミリアを下ろして頭を撫でる。
「リリィ?」
違和感の正体に向かって声をかけた。
「え?なんでしょう?」
いつもなら褒めてくれるのに、やっぱり褒めてくれない…
それどころか、また難しい顔をして考え込んでいるようだった。
なので、凹む、リリィにも褒められたかった…
「しゅーん…」
「?……あっ!素晴らしいです!さすがライ様ですね!」
「ありがと…」
思い出したように褒めてくれるが、催促したようでテンションが上がらない。
「あらあら、かわいそうなライさん、すごいことしたのに、よちよち」
ステラが抱きしめてくれたので、抱きついて甘える。
「リリィは考えごとでもしてるんですかねー?よちよち」
「そうなのかなー?」
「いえ!そんな!……すみません…」
今度はリリィがしゅんとしてしまう。
「あ!ごめん!そんなつもりなくって!おいで?リリィ?」
「はい…」
ぎゅっと抱き合った。
「なにか悩みがあったら、すぐに教えてね?」
「はい…もちろんです…」
「な、ならいいけど…」
リリィの様子がおかしい、ちょっと前からそう感じることはあった。
でも、その日のオレは、抱き合ったことでひとまず解決だと判断してしまう。
それだけライトニングダッシュ(仮名)が成功したことが嬉しくってハッピーになっていたのだ。
「そろそろ帰ろっか!」
みんなに声をかけて町に戻る。
ご飯を食べながら、ライトニングダッシュをどう使って必殺技を繰り出すか話をした。
「技名叫ぼうよ!」
「恥ずかしくない?」
「そんなことないよー!ボクが考えてあげるね!うーん……
〈我、光となる!閃光剣!〉とかどう!?」
「だっさっ」
「ひどいよ!ソフィア!」
ことさら、必殺技についてはコハルが夢中であった。
そんな楽しい食事会も終わり、お昼に誓った復讐のときが近づいてきた。
♢♦♢
-リフレット 宿の自室-
「ソフィア、コハル、来なさい」
「……」
「はーい」
近寄ってこないソフィアと無邪気に近寄ってくるコハル。
「どしたの?」
「今日は2人とするから」
「あっ…そ、そういうことか…」
やっとわかったらしい、赤くなって下を向く。
「ソフィアのこと連れてきてくれる?」
「うん…」
「ソフィア、いこ?」
「……」
コハルがソフィアの手をとって連れてきてくれた。
んふー!
これからするために美少女が美少女の手を引いてくる姿!最高です!
「じゃあ、いこっか、みんな、おやすみー」
ガチャ、とことこ、ガチャリ
「じゃ、今日はオレのことをアホと言った2人にお仕置きだよ」
「なによそれ…」
「ボクそんなこと言ったっけ?」
「言ったんです。じゃ、まずはご奉仕から」
どーん!と腰に手を当てて立ち尽くす。
「コハルたん」
「う、うん…」
オレの前にひざまずいてカチャカチャとベルトをはずす、ズボンを脱がせてもらうと臨戦体勢のものが飛び出した。
「わっ…すごい…」
「コハルー」
「う、うん…」
コハルがペロペロと奉仕をはじめる。
「ソフィアたんもー、はやく来ないといじめるぞー」
「……」
無言で近寄ってきてコハルの右側にペタンと座った。
「……なによ」
「ソフィアこそなんだよ…」
2人は目があって恥ずかしそうにしたあと、2人してオレを舐めてくれた。
2人の頭を撫でながらその光景を楽しむ。
コハルに味合わせてから、ベッドに移動し、2人を交互に味わった。
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