第198話 妹と主従契約そしてわからせる

「汝、ミリア・ミカヅチは、我、ライ・ミカヅチを主人と認めるか?」


「は、はい…認めましゅ…」


 ミリアの左手の薬指に指輪をはめる。

 すぐに指輪は光り、ライ・ミカヅチの名前が刻まれた。


 オレは右手の薬指に1本目の指輪をはめる。

 同じように光り、ミリア・ミカヅチの名前が刻まれた。


「愛してるよ、ミリア」


「う、うゆ…ミィも…おにいちゃんが大好き…」


 パチパチパチパチ


 リフレットの宿の一室でミリアとの結婚式、改め主従契約を結んでいた。


 嫁たちも祝福してくれている。幸せな空間だ。


「ミリア…」


 正面のミリアも赤くなってうるうるしている。

 今なら、自然と唇にキスできる。

 そう思ったオレは、ゆっくりとミリアの両肩をもち、顔を徐々に近づけた。


 ピンク髪ツインテ巨乳妹のファーストキス、いただきまー


 むぎゅ


「ご、ごめんなしゃい…」


 オレはぽかへいとチッスしていた。

 ミリアが抱っこしていたぽかへいでバリアしたのだ。


 な、なぜこんなことを……


「へぶっ!」


 狼狽しているオレは、ぽかへいに殴られる。

 キスした瞬間は硬直してたのに、いきなり殴ってきた。


 このクソウサギめ…


 いや、そんなことよりミリアだ。

 今回はぽかへいに邪魔された、というよりミリア本人に拒絶されたようでショックだった。


「ミリアにはミリアのペースがあるのよ。わかってないわねぇ」

 とソフィア。


 そういうものなのだろうか?早くもぐもぐしたいのだが…


 それにこのクソウサギなんとかしないと…

 ミリアともっとすごいことをしようとしたら、絶対邪魔してくる気がする。


 オレはぽかへいを見ながら、ミリアとの蜜月を想像する。

 うん、こいつが暴れ出す未来しか見えてこない。


 その視線に気付いたのか、かかってこいよ、と腕をクイクイされた。


 イラッ。

 ……そうか、やってやろうじゃないか。


「ミリア、ぽかへい借りてもいい?」


「いいけど…なんで?…」


「オレもぽかへいと仲良くしたいんだー(棒)」


 ニコッ


「そ、そうなの?…わかった…はい…」


 なにかを察したのかミリアの腕の中で暴れるぽかへい。しかし、ミリアはオレに差し出してくれる。


「ありがとうな」


 にっこりしたまま、ぽかへいを抱っこする。まだ暴れていた。


 頭を撫でてやり、仲良しアピールをする。


「ふふふ、仲良くしようなぁ?ぽかへいぃ〜」


 そのままオレは部屋を出て、誰もいない隣の部屋にいき、鍵を閉めた。


 ガチャ


 とりあえず、ぽかへいを縛り上げ、動かけなくしておく。逃げられるとめんどうだ。

 そして、縛ったクソウサギをテーブルに座らせて語りかけた。


「なぁ、ぽかへい、おまえ、オレのこと嫌いなのか?」


 こくこく、と縛られたぽかへいは頷く。


「そうかそうか、それは困ったな。オレはミリアと結婚した。だから、これからエッチなことをたくさんする。許してくれるよな?」


 ぶんぶん!!

 と左右に首を振る。


「ふーむ、困ったなぁ。じゃあ、おまえもオレの女になれよ」


 ………

 不思議そうに首を傾げるぽかへい。


「オレはこれからおまえを可愛いメスウサギだと思うことにするよ。だから、おまえもオレの女になれ」


 ぶんぶん!!

 と首を左右に振る。


「じゃあ、無理やりしてやるよ」


 そう宣言してから、オレは服を脱ぎはじめ全裸になってぽかへいの耳を鷲掴みにする。


 暴れるぽかへい。


 ニヤつくオレ。


「とりあえず、おまえにマーキングしてやるよ」


 そして、オレはミリアとの初体験を想像しながらぽかへいにぶっかけてみた。


 なにをやっているのか?

 オレにもわからない。


 ぽかへいは、グッタリと大人しく、というか放心したように動かなくなった。


「ぽかへいぃ~、オレのものになったかな?」


 ふるふる……

 と首を横に振る。さっきよりは弱々しい反応だ。


 だから、もう一度ぶっかけることにした。


 再度同じ質問、そして同じ回答。


 それから、もう一度したところ、


「ぽかへいは、オレの女だよな?」


 ………こくこく…

 やっと頷いた。


「ミリアはオレの女だ。だから、これからミリアのことも抱く。邪魔するなよ?」


 ………


「なんだ?またぶっかけられたいのか?」


 ……ふるふる…こくこく…


「ふぅ、いい子だな。じゃあ、お風呂に入れてやるよ」


 シャワーの準備をして、ぽかへいとお風呂に入ることにした。


 一連のシーン、誰かに見られたら死ねるな。

 そう思いながらも、このクソウサギを屈服させた達成感をシャワーを浴びながら味わっていた。


 で、おまえはなんなの?人形相手に、イカれてるの?


 え?人間は誰しもが内なる狂気を持っているものですよ。それがオレの場合、嫁のためならなんでもするってだけ。


 いや、手段がこわいんよ。


 じゃあ代案出せよ。


 とか、脳内で言い訳をしてるうちにぽかへいを洗い終わる。タオルで拭いてあげてから、抱っこして外に出ることにした。


 適当な芝生の上で寝転んで、ぽかへいをお腹の上におき、のんびりと太陽の下で乾かしてやることにした。


 うとうとしていると逃げ出すかな、と思ったが、意外にも大人しくオレの腹の上で大の字になっているぽかへい。


 ちょっとは仲良くなれたのだろうか。いや、オレの女の自覚が出たのだろうか。


 とにかく、ミリア攻略の障害は排除した。


 あとは、妹の覚悟が決まり次第…オレたちは…


 ワクワクとご馳走を食べることを想像しながら、オレとぽかへいは日向ぼっこを続けた。

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