第196話 妹に性教育パート2

「よーし、それじゃそろそろ寝よっか」


 夕食を食べた後、シャワー浴びて就寝の準備をする。


 今は7人なので、2つのテントを3人と4人で使うことになる。


 むふふ、今日はどの2人になるのかな、それとも3人かな。

 ボクちんは準備万端ですよ♪

 とルンルンの気分でいると。


「ミィ…おにいちゃんと寝たい…」

 と言われる。


 あれ?てことは……


「も!もちろんいいぞ!」


 ミリアとはまだそういう夫婦の営み的なことはしていない。

 つまり、今日?

 ついに?


「ステラちゃんも…一緒に寝よ?」


「いいですよ♪」


 あれ?


 ワクワクしていたオレの想像とは裏腹にステラが誘われる。

 ステラが笑顔で了承したので、オレたちは3人でテントの中に入った。


 オレの頭の上にハテナマークが浮かぶ。


「あ……おにいちゃんが…真ん中…」


「あ、うん。ミリアが真ん中じゃなくていいの?」


 いつもはオレとステラに挟まれて寝ていたのだが、今日はいいのかと気になった。


「だいじょうぶ…」


「そう?なら、オレが真ん中で」


 大丈夫らしいので、左手にミリア、右手にステラの川の字で寝転んだ。


「じゃあ、そろそろ明かり消しますね」


「うん…おやすみ…」


「お、おやすみ…」


 あれ?今晩のお楽しみは?と再度思う。


「……」


 暗くなったあとも、もちろん何も起こらない。


 えっと……ミリアとの初めては2人っきりのときがいいし…


 す、ステラにお願いしてみようかな…

 と思い、隣をみる。


「すぅ…すぅ…」


 ね、寝つき早くね?

 疲れてたのかな、そういえば馬車が完成してはしゃいでたもんなぁと思い出す。


「(小声)わくわく……」


「ん?」


 ミリアの方から声が聞こえたような?


 ゴロリと寝返りをうつと、

「すぅ…すーー……」

 かわいらしく寝息を立てていた。


「2人とも寝るの早いな…」


 つい呟いてしまう。


 うー……ムラムラする……

 する気満々だったのでなかなか寝付けそうにないが、わざわざ疲れてるステラを起こすのは申し訳ないし、またの機会にしよう。


 そう思って、オレは頑張って眠ることにした。


♢♦♢


 翌日からも、ミリアはオレと一緒に寝たいと言い続けて、もう1人の相手は日によって別の子を指名するようになった。


 だから、ミリアと2人っきりになることはできず、ミリアがいる手前、他の子にも手は出せない。


 え?だって、初めては2人っきりで楽しみたいじゃないですか?


 とか最初の方は思っていたが、どんどんフラストレーションは溜まっていく。


 ぐぬぬ…つらい…


 そう感じ始めた5日目、明日にはリフレットに着くだろうという日になって、今日はミリアとソフィアの2人と一緒に寝ることになった。



 時刻はお昼まで戻る。


-ミリア視点-


「ソフィアちゃん、ソフィアちゃん…」


「なに?」


 馬車に揺られながら、ミィはソフィアちゃんに話しかけた。小声だし、おにいちゃんたちは楽しそうにお話しているから、内容は聞かれないと思う。


 だって、今から話すことはとっても恥ずかしいことだ。

 聞かれたくない。


「あにょ……このまえね…ソフィアちゃんに、いろいろ教えてもらった…でしょ?」


「魔法のことかしら?」


「ううん……え、えっちな…こと…」


「あ、あー……」

 恥ずかしそうに斜め上を向くソフィアちゃん。


「あのね…それで…ミィ、その…えっちなことに、すごく興味があって…

 だからね…その…みんながしてるところ…近くで見ようとしたの…」


「近くで?ああ……だから最近ライと寝るとき、もう1人連れてってたのね」


「うん…」


「それで?見れたの?その…近くで…」


「ううん……みんな、おにいちゃんと…しないの…

 リリィちゃんは…この前してたのに…なんでだろう…」


「あんたに見られるのが恥ずかしいのかもね」


「そうなのかな…でも…ミィ…勉強したい…」


「勉強って言われても…」


「だからね!」


「…なんだかイヤな予感が…」


「ソフィアちゃんと!…ととと!…おに、おにいちゃんが!」


「や……」


「してるとこ見せて!」


 言った。勇気を出して、ソフィアちゃんに伝えた。ミィの気持ち。


「あんた…」


 ソフィアちゃんはミィから後ずさるように距離をとる。


 イヤ…だったかな…

 イヤだよね…恥ずかしいよね…


 でも…このままだと困る…だから、もう一回お願いしてみよう。


「ミィ…知らないことばっかで……

 このままじゃ…おにいちゃんと…うまく…えっちできない…」


「それは…たしかにそうかも…」


「だから…ソフィア先生に…教えてもらいたいの…だめ?」


「だめ?……ってことはないけど…」


「いい…の?」


「う~ん…」


 わたしは考えた。

 ミリアに、わたしとライがしているところを見せる?間近で?


 いやいや、恥ずかしいわよ。


 でも、そういえば、ライのやつと最近してないな。

 村にいたときは、ミリアのことで頭がいっぱいだったし、遊牧民のキャンプ地でもそれらしいタイミングはなかった。ミリアも近くにいたしね。


 なのに……あいつとリリィ、それにステラのやつはしてたみたい。

 ちょっとムカつく。


 リリィとあいつがテントの中でしていた光景を思い出す。

 なんだか…いけない気持ちになってきたじゃない。


 ああもう!だめだめ!


「ソフィアちゃん…」


 ミリアが泣きそうな目で見てくる。


 ……そう、これはミリアのためよ。

 べ、べべべ、べつにわたしがあのバカとしたいからってわけじゃないんだから。


 だから…ちょっとくらいなら…見せてあげてもいいかも…


「……ちょっとなら…」


「いいの!」


 ミリアが目を輝かせてわたしのことを見た。

 あ…これもう断れないやつだ。

 そう思ったわたしは、


「じゃあ…今晩…」

 と答えてしまった。



 時刻は夜に戻る。


-主人公視点-


 オレは、ミリアとソフィアと一緒にテントの中に入った。

 今日もミリアはオレの左手で寝るようだ。右手にソフィアが寝転ぶ。


 オレも寝転んで明かりを消すと、ミリアから声がかかった。


「おやすみ…なさい…」


「うん、おやすみ」


「すぅすぅ…」

 すぐに寝息が聞こえてくる。


 ずいぶん寝るの早いな。そう思いミリアの方を見る、目をつむって寝ているように見えた。


 最近、いっつもこうだけど、ミリアも疲れてるのかな。


 はじめての馬車の旅だもんな……

 早く町について、ちゃんとしたベッドで寝かせてあげたい。そう思いながら、かわいい妹の頭を撫でた。


 くいくい


「ん?」


 後ろから服を引っ張られた。


 ゴロンと、反対側に向き直ると、ソフィアがオレを見つめていた。

 そして、ぺたりと手のひらをオレの胸に当てる。


「ど、どうしたの?」


「あのね……」


「うん」


 なんだか、胸に当てた手のひらがすりすりと動いていた。どきどきしてくる。


「キス…したいな…」


「オレもしたい」


 誘惑には抗えない。


「(小声)わくわく……」


「っ!?」


 ミリアの声が聞こえた気がして、深いキスをしようとしていたのを思い直す。

 ソフィアと唇が触れるだけのキスをして、すぐに離れた。


「あっ……なんで?」


「な、なんでって?」


「大人のキス…したいの…」


 ムラッ。


「う、うん…」


 誘惑にはあらががが……


 深いキスをする。美味しい、久しぶりだった。


 唇を離すとソフィアはすっかり上気した顔になっていた。


「ライ…」


 やばい、我慢できなくなる、ミリアもいるのに…


「ライ〜……」


 ソフィアがぴったりと寄り添ってきて、


「大きくなってるよ?」

 なんて言って、にぎにぎと触ってきた。


「そ、ソフィア……み、ミリアが隣に…」


「大丈夫よ、寝てるもん」


「そ、そうかな…」


「そうよ…」


「な、なら…」


 また深いキスをして、それからソフィアを楽しむことにした。


 少しずつ、少しずつ、丁寧に脱がして、あんまり音を立てないように、そのままの姿勢で…


「(小声)はわわわ……」


 そのとき、後ろにいるむっつりな妹が、興味津々な目でオレたちのことをじっくり観察しているだなんて、夢にも思わなかった。

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