第84話 金髪清楚お嬢様とピクニックデート
「お、お待たせしました。ライ様、もう入ってきて大丈夫です」
「は~い」
廊下で待ってると、リリィから声がかかったので、宿の部屋の中に入る。
「お、おぉぉぉ……」
そこには、白いフリフリのワンピースと白のリボンが付いた麦わら帽子をかぶった美少女がいた。
靴は、くるぶしの上あたりまであみあみのある茶色のサンダルだ。
「どうでしょうか?」
「めっっちゃ!かわいい!お嬢さまって感じだ!」
「あ、ありがとうございます…」
リリィは照れて赤くなっている。
さっき港の露店で見つけて、リリィに絶対似合うと思った服だったが、やっぱり大正解だったようだ。
「あ、あの、キスしてもいい?」
なんだか我慢ができなくなり、リリィに迫ってしまう。この美少女はオレのもんだ。
「は、はい、どうぞ…」
オレは近づいて唇をつける。
その柔らかい唇をなんども味わっていると、むらむらとした感情が湧き出てきてしまう。や、やばい我慢できなくなる……別の意味で…
ダメだ!今日はデートする日!
「よ、よし!そろそろ出かけようか!」
「あっ……はい」
オレは名残惜しいのを我慢してむりやり切り替えようとしたのだが、リリィもなんだか残念そうな反応を見せてくる。
い、いかん、いかんよ、その反応は…
「で、では、まずはお昼ご飯の調達にいきませんか?」
「いいね!そうしよう!」
リリィも切り替えてくれたので、その提案を受け入れて、扉を開けた。
♢
「あっ、手繋いでいいかな?」
「は、はい!もちろんです!」
宿を出て、すぐにそんな提案をしてみたら、すぐに受け入れてくれた。
ぎゅっと手を握ると、隣のリリィはニコニコしながら握り返してくれた。いわゆる恋人繋ぎというやつだ。う~ん、かわいい。
リリィと楽しく会話しながら、まずパン屋に向かって、食パンを数枚買う。それから、八百屋と肉屋に寄って、サンドイッチの材料を揃えた。これでお昼ご飯の材料はオッケーだ。
「あの灯台まで行ってみたいんだけど、いいかな?」
オレたちの釣り堀の上あたり、そこには切り立った崖があり、その先端に灯台がある。以前から目をつけていた場所だ。
その灯台を指さして、目的地として提案してみる。
「はい、行ってみましょう」
リリィの同意も得たので手を繋ぎながら、のんびりと灯台に向かう。
灯台までの登り坂は、小さなくねくねの畦道になっていて、ところどころ草花が生えていた。
「いい町だよね」
「はい、綺麗なところだと思います 」
へへへ、キミの方が綺麗だよ。
と言おうと思ってやめた。なんかキモい。
「ここで商売が上手くいくといいけど」
「ライ様なら大丈夫です、きっと上手くいきますよ」
「はは、リリィはいつも肯定してくれて嬉しいけど、たまには厳しくしても大丈夫だよ?」
「ふふ、じゃあ、たまにはそうしますね」
「うん、お手柔らかに」
リリィと話していると、すぐに灯台の近くまできた。町の方を見ると、町と海を一望できる。
「いい眺めだね」
「はい、素敵な場所です」
へへ、キミの方がすてき……
やめた。
「この辺でご飯食べようか」
オレはいいながら、布をアイテムボックスから取り出し、地面に敷いた。そこに2人で靴を脱いで座る。
「では、サンドイッチの準備しますね」
「うん、ありがと」
リリィがお昼ご飯を用意してくれるので、その姿をジッと観察することにした。リリィは手際良く、パンの耳を切り、野菜とハムをちょうどいいサイズに切っていく。
「はい、お待たせしました」
「うん、ありがとう」
オレはリリィの分の用意ができるのを待って、一緒に食べ出した。
「美味しい。ありがと、リリィ」
「そんな、大したものじゃありませんから」
「リリィが作ってくれるから嬉しいんだー」
「ふふ、ライ様と2人っきりで過ごすのはひさしぶりで、わたしも嬉しいです」
はじめて旅をしたときのことを言ってるのか。
か、かわいいやつめ。
オレたちはご飯を食べ終わっても、そのままのんびりと座っていた。
ふと、ごろんとリリィの膝に頭を乗せて寝転がってみる。
「ふふ」
リリィはそのままの体制で頭を撫ででくれた。
きもちー。
美少女の膝枕でのんびりとくつろぐ。
波の音が聞こえて、風もちょうどよく吹いてきて、すごくのどかな時間だった。
しかし、しばらくそうしていると、ムラムラしてくる。
のどかとは一体。
「……リリィ、キスしたい」
「は、はい」
オレは膝枕してもらっている姿勢でお願いする、自分は動かない。
すると、リリィが身体を曲げて近づいてきて赤い顔でキスしてくれた。
「んっ、んっ…」
リリィが離れようとする。
「もっとー」
「はい…」
ちゅっちゅっとして、深いキスも求める。リリィの顔が蒸気してきた。
「ふ、ふむ…」
オレはその様子をみてから身体をゴロンと反転させ、リリィの太ももにスカートごしに顔を押し付ける。
「きゃっ、ライ様?」
「はむはむ」
太ももをはむはむする。
「は、恥ずかしいです…」
クンクンもしてみる。
「………ライ様、少し顔を上げて目をつむってもらえますか?」
「?あーい」
よくわからない提案だが、断る理由もないので、言われるがままにする。
「目を閉じたまま、頭を下ろしてください…」
ぷにっ。
柔らかい感触だ。
ぷにぷにしてる。
ふぁさっ。
オレの頭になにか布のようなものが被せられた。
「もう目を開けても……いいですよ?」
目をあけると、そこは楽園であった。
リリィのスカートの中だ。
「リリィさん」
「……はい」
「もう我慢無理」
「はい…」
短い返事だった。オレはそれを同意と捉えて、はむはむ、ぺろぺろとし出す。
「リリィ足広げて」
「は、はい…」
閉じてる足を開かせて夢中で味わった。
しばらく味わったあと、
「も、もう無理だから!こっちきて!」
「は、はい…」
オレたちは靴を履いて灯台の物陰の方に行く。
「そ、そこに手をついて」
「こ、これでよろしいですか?」
リリィにお尻を向けさせる。
「じゃ、じゃあ、するから」
「はい、いらしてください」
オレはリリィをたくさん愛することにした。
♢
2人が一度冷静になった後、またキスをした。やばい、ぜんぜん収まらない。
「ライ様……その、わたしも…ずっとしたかったので…あ、あの」
正面に立つリリィがもじもじする。
「リリィ!そんなこと言われたら!無理だよ!」
「んむっ!」
オレは終戦に向かおうとしていたキスをやめて開戦のキスをしはじめた。
戦いはこれからだ。
♢
「ご、ご馳走様でした」
息の荒いリリィは身体に力が入らないようなので抱きしめて支える。
「はぁはぁ、んっ……はい、わたしの方こそ……」
空はもう赤い、夕方だ。
「じゃ、じゃあ、どこかでご飯食べてから帰ろうか」
「はい、そうしましょう」
ふふっ、と笑ってくれたので、ゆっくりと身支度して、適当な食堂に向かうことにした。
赤い空を背景に灯台からの下り坂を下っていく。
となりの麦わら帽子のお嬢様は、ときおり帽子を押さえながら歩いていて、キラキラと夕日に反射する金髪がとても綺麗だった。
こんなに綺麗な子を、好き放題しちゃったんだな…
改めてさっきまでのことを思い出すが、賢者モードにギリギリ到達したオレは、この後なんとか紳士的に振舞うことができた。
まぁ今更かもしれんけど。
うん。なにはともあれ、最高のデートだった。
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