第59話 青髪マゾ女騎士を手に入れた夜

-主人公視点-


 オレはステラを連れ出すのに成功して、リングベルを出た。


 リリィとソフィアに合流するためにシエロス山脈の入り口に向かっている。


 西門を出て少ししたら、ステラがオレのことをジッと見ているのに気づいた。目が合うとニッコリ微笑んでくれて可愛かったので、そっとキスをする。

 騎士団の駐屯地で無理やりしたとき違って、全く抵抗を感じない。


 唇を離なすと、名残惜しそうな顔をしてくれる。


 だから、

 ちょっと歩いて、下を向いて、キスする。

 ちょっと歩いて、下を向いて、キスする。

 なんてことを繰り返していた。


 ついばむようなキス。

 それでも幸せで、なんども繰り返す。


 すると、ステラの顔はどんどんと変化していった。


 頬は赤くなり、吐息は熱く、表情もうっとりとしはじめた。


 女の顔だ。


 つまり、えっちな顔をしていた。


「……」

 オレだけに見せる顔、そう思うと、興奮が抑えられなくなる。


 オレの分身がその興奮を体現して、ステラのお尻にノックしながら歩いていると、山の麓でリリィたちが手を振ってるのが見えた。


 さすがにそろそろ自重しよう。


 頭の中ではそう思う。でも、オレの分身はぜんぜん自重する気配がなかった。どうしよう。



「上手くいったんですね!」


「あぁ!この通りだ!」


 オレは抱いているステラを見せながら、自慢げに答えた。


「なによ!あんた!この前はライのことボコボコにしたくせに!今度はお姫様気取りね!」


 ニヒヒッとソフィアも嬉しそうだ。ステラをからかっている。


「あの、2人ともこの前はごめんなさい……ああしないと、みんなに王国から危害が加わると思ったんです…反省してます」


「わかっていますよ、大丈夫です。それに、今のライ様なら王国からでもわたしたちを守ってくれます!」


 えっへん!とリリィが言う。


 そこまでの自信はあるような、ないような、だが期待には応えたいと思う。


「ライ様、これからどうしましょうか?」


「まずはここで一泊して、明日、国境を越えようと思う。一応、国に喧嘩を売った形になるわけだしね」


「わかりました」


「じゃあ、今日はのんびりしましょ。てか、いつまで抱っこしてるのよ?早くおろせば?」


「えっと……」


 オレは気まずそうに、ステラは赤くなって下を向く。


「なによ?」


「ライ様?」


「……」


 オレはステラを下ろすことができない。オレの分身がとても主張しているからだ。


「あの、リリィ、ソフィア……2人はライさんの妻、なんですよね?」


「はい」

「まぁそうね」


「私もそうなってもいいですか?」


「もちろんです」

「まぁそのつもりで、こいつは動いてたしね。許してあげるわ」


「あの、では、少しの間、ライさんをお借りしても?」


「?」

 リリィは不思議そうだ。


「……あんた、ステラのこと下ろしなさいよ」

 ソフィアには気づかれた。


「いや〜?」


「なに隠してるのよ!変態!助けたそばから!すぐに発情して!」


 リリィもなんのことかわかったようだ。赤くなる。


「あ、あの…サイレントは使ってくださいね…」



 テントに入るとき、一応攻略スキルを確認する。


--------------------------

ステラ・ファビノ

 好感度

  100/100

--------------------------


 そして、念じてもないのにアドバイスが表示された。


-----------------------------

ステラは隠れマゾです。

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 なんですか、それ。

 とか考える間もなく、オレはステラを抱くことで頭が一杯になった。


 ステラをテントの中に入れて、すぐにサイレントのベルを鳴らす。


「はぁ、はぁ……」


 オレは我慢するのをやめてステラにむしゃぶりつく。


「ん、んむっ…」


 ステラはうっとりして深いキスも受け入れてくれる。それどころか積極的に返してくれた。


「ライさん」


「なぁに?」


「好きです」


「オレも大好きだよ」


「いっぱいいじめてください♡」


 オレはもう一度キスを堪能してから、彼女の鎧を脱がしていく。ガチャガチャと鎧を全て脱がしたら次はインナーだ。


 まずは上半身を脱がした。そこにはサラシに巻かれて苦しそうな2つの膨らみがあった。


「な、なんでサラシ?」


「戦うとき、邪魔になるので」


 はぁはぁ…邪魔になるほどデカいのか。


 期待を込めてサラシを緩める。

 すると、

 バルンッ!

 と2つの山脈が解放された。

 バルンッ!

 である。


 オレはステラをチラリと見て、期待の眼差しを確認してから、その山脈に登り始めた。最初は優しく、そして激しく。

 大迫力で大満足マウンテンだ。


 そこでオレも服を脱ぎ始める、下着だけになった。


「あ、これ…戦いの傷ですよね…」


 オレの身体にはところどころ、傷や焦げた雷撃の痕が残っていた。


「うん、でも大丈夫だから」


 今はそんなことはどうでもよかった。はやく、はやくつづきを…


「あの、ポーションありますか?」


 彼女も蒸気して息が荒いのにそんなことを聞いてくる。


 押し倒したいが、かろうじて我慢してアイテムボックスからポーションを何本か取り出した。


 するとステラはそれを口に含み、オレに抱きついて口づけしてきた。ポーションを飲ませてくる。


 笑顔を浮かべていた。


 それからオレの身体を見て、ポーションを口に含みながら、キズをペロペロと舐め出した。


 気持ちいいが、わずらわしい。

 ちょっと様子を見ていると、キズは上半身になくなってきたので、オレは立ち上がる。


 そしたら、今度は足元の方からペロペロとしてくれた。そして、腰あたりまで到達する。


 ステラはオレ自身のことをジッと見ている。


「おまえのせいで腫れちまったんだから、おまえが責任とれよ」


「は、はい」


 ステラはオレのオレをウットリと眺めて、


「ご奉仕させていただきます」

 と口にした。



しばらく彼女の好きにさせていると、


「うふふ♪」

 と余裕そうな笑みを浮かべてきた。


 さっきの攻略さんのアドバイスも相まって、いじめたい欲求がわいてくる。


「……四つん這いになれよ」


「は、はい」


 期待した眼差しだ。


 オレはスカートをめくると、白いタイツをビリビリと破いた。


「あぁ!ライさん、ひどいです」


 台詞とは裏腹にステラは嬉しそうな顔をしている。


 ムラっとして、その白い双丘のひとつを叩いた。


「あぁん!」


「なに叩かれて喜んでやがる」


「ご、ごめんなさい♡」


 ステラは嬉しそうだ。


「お仕置きだな」


 オレはステラに覆いかぶさった。



 何度目かの行為の後、それでもオレたちは止まっていなかった。


「この!おまえは誰のもんだ!言ってみろ!」


「ライさんの!ライさんのものです!」


「この!苦労かけさせやがって!」


「あぁん!ごめんなさい!お仕置きしてください!」


 オレのSとステラのMがガッチリとタッグを組んでいた。


「ふぅ…」


「ちょっと!いつまでやってんのよ!さっきからサイレントきれてんのよ!」


 一息ついた途端、テントの向こうから声が聞こえてきた。

 ソフィアたん、空気読めない子ねぇ。


「リーン」


「あっ!ちょ――」


 サイレントのベルを鳴らすと声が聞こえなくなった。


 お尻だけをあげて寝袋に顔をつけ、だらしない顔をしているステラに近づく。


 顔の前にしゃがみこんで、

「なに勝手にへばってやがる」


「ご、ごめんなさい……ご奉仕致します」


 オレはステラをなんどもなんどもおかわりした。



 すっかり暗くなったころ、オレたちはテントから出てきた。


「あ……」


 焚き火を囲んでいたリリィとソフィアと目が合う。


「そ、その…お疲れ様でした?」

「ふんっ!」


 2人とも顔が赤い。


 そういえば、どのあたりを聞かれていたのだろう。


 なんかベッドヤクザみたいになってた自覚はあるんだが…


「…お、オレたちは、シャワー浴びるから」


「わたしたちはもう入ったわ。ご自由にどうぞ」


「シャワー?」


 シャワーを知らないステラに説明してから使わせたら、

「これは気持ちがいいですね!すごい発明です!」と喜んでくれた。


 オレもそれに続いてシャワーを浴びる。


 タオルで身体を拭いてから、オレも焚き火の方に向かうと、3人が和気あいあいと話していた。


「そうなんです!ライさんすごくカッコよくて!」


「へー!」


コクコク

「ライ様は最高です」


 オレの話らしい、なんだか気まずい。


「あ!ライ様!今、ライ様の話をしていたんですよ!」


「そうみたいだね」


「ステラ!まだ途中だったから、もう一回こいつの前で話しなさいよ!」


「もちろん良いですよ!〈綺麗な角だ〉あたりからいきましょうか!」


「きゃー!恥ずかしいやつ!」


「……」


 こ、これは……

 まさか、オレがステラに言ったセリフを事細かに説明する気…なのか…?


「ライ様はキメるときはキメる方です」

 リリィも楽しそうだ。


 そして、オレの公開処刑がはじまった。



「ステラ、愛してる。これからもオレにメシを作ってくれ」


 ステラがキメ顔でしゃべる。


「きゃー!!いやー!!」


「キマってます…」


 オレは両手で顔を覆っていた。オレってこんな恥ずかしいことばっか言ってたんだ。


「あー!面白かった!ライ!あんたイケてるわ!」


 ソフィアが笑いながら話しかけてくる。ホントにそう思ってるのだろうか。


「ライ様はわたしのときもカッコよかったですよ」


「その話聞きたいです!」


「おっけー!おっけー!また今度ね!そろそろご飯食べよう!」


 オレはその公開処刑を中断させるべく、アイテムボックスから調理器具を取り出し、わざとらしくガチャガチャを音をたたる。


「ぶーぶー!」

 ソフィアは不満そうだ。


「あ、私も手伝います♪」

 ステラが笑顔で隣に来て、手を貸してくれた。


「いいの?ありがとう」


「もちろんです♪だって、そういう約束ですしね♪」


 ニコッと少しイタズラっぽくステラが笑いかけてきた。


 頭を撫でて、一緒に食事の準備をする。


 ほどなくして、夕食は出来上がった。


「美味しい!美味しいわ!なんで外でもこんなに美味しく作れるの!?」


「ホントに美味しいですね!ステラはすごいです!」


「うん!これから毎日ステラのご飯が食べられると思うと幸せだなー!」


「みんな…そんな…大袈裟ですよ」


 えへへ、とステラが照れている。


「大袈裟じゃないよ!」

「大袈裟じゃないわ!」

「大袈裟じゃないです!」


 オレたちは楽しい夕食を満喫した。


 食事が終わったころ、「今度はわたしの番ですね」とかリリィが言い出して、再びオレの公開処刑がはじまったことは、忘れることにしよう。


 う~ん、今日は素晴らしい日だったなぁ。

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