第8話
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翌日、
お天道様は真上に近い。
番屋を出るとき見送ったのは
もっとも半分は酒の力、もう半分は薬の力であったが。
結局、
それでも情報としてはかなり絞り込む事ができる。
情報を提供しなかったのには三つの訳があった。
一つは榊原を完全に自分側に取り込むために今回の事件を利用すること。
もう一つは意趣返しの為。正直襲撃を受けたことに対してだ。
これは裏家業としての矜持が許さない。嘗められたらそれまでの世界だ。これで引き下がったら仕事が激減する。
鬼灯も引けないのだ。
そして最後に壊された骨董品の落とし前がつけられていない。
それと同時に偽銭にも興味があった。骨董を扱う者として贋物は許せないという骨董を扱う者としての矜持である。
その三つを建前にあえて自分から面倒事に首を突っ込むつもりであった。
(榊原・・・・・・ねぇ。腕は立つし能力も申し分無いという噂だからね)
この二十五年。
爺様から引き継いだ見世を切り盛りしながら、また一人で裏家業をこなしながら生きてきた人生。
その中に初めて仲間を引き込んだ。もっともまだ信用はしていないが。
それでも仲間が出来、心が若干躍る
(これが吉と出るか凶と出るか・・・・・・。
ま、何とか成るでしょ。
懐が寂しくなったら頼るところが出来たと思えばいいや。
しかしこの事件の裏を知ったら旦那も腰を抜かすだろうなぁ。それで抜けられるならそれでも良いしね。
口さえ
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「旦那ぁ、いる?」
番屋から出た後、
暫く待つと所狭しと並べられた骨董の中から返事があった。
「・・・・・・なんでぃ、
今日はどうした?
何か入り用な
骨董を扱う者達は横のつながりが強い。売りたい商品などが手元に無い場合は横のつながりを利用して手に入れる。
この骨董屋もその中の一つだ。
「毎度~。ちょっと聞きたいことがあってさ」
鬼灯はにこりと笑いながら胸の間から
やはり揺れる。
「ほほ、相変わらずええのぅ、眼福眼福」
顔の前で合掌し、
この骨董商、実はかなりずれている。
普段、そのように見られることのない
「う、うるさいやぃ。褒めても何も出やしないよ。ったくこの肉の塊のどこが良いのかねぇ。動きづらいったらありゃしないだけなのにね。
やっぱりあんた相当ずれているよ」
照れ隠しで悪態をつく
暫く照れている
「で、どうした? 今日は何を探している?」
その七変化ばりの変わりように
「これどう思う?」
何時になく真剣な声色で話しかけてくる
数枚の銭が出る。
「ほ、ほぉ。
小太りの中年の男の声が僅かにうわずっている。その声に
「き、気持ち悪い声だすんじゃないよ! よおく見てみな!」
「・・・・・・偽銭か?」
「あんたんとこに持ち込まれてないかい?」
「・・・・・・いや、ねぇな。
しかしこれはまたとんでもねぇ出来だな? 何処で手に入れた?」
鬼灯は【ふむ】と頷くと面倒な部分を省き、手に入れた経緯を話し始めた。
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