第2話
「近く、皇帝ルクフェスが
政府軍に対して反乱を起こすらしいぞ」
アダシのグチ仲間、大峰屋孝兵衛(おおみねやこうべえ)
がみかんを足の指でむきながら、
ぐちった。
「かんけいねぇもんね」
アダシがみかんの皮を鼻でむきながら
ソッポを向いた。
「そんな、お偉い人たちの事なんか
全然、かんけいおまへん」
アダシがみかんをケツのあなで
むきながら、グチった。
「そうだよなあ、おれたち無能力者に
待ち受ける未来はサンタンタルもんだ
からなあ」
「とさつ、とさつ」
「っでもなあ、皇帝るくふぇすが勝ったら
おもしろいことになるぞ」
「どんなふうに」
「おれたち無能力者にもおこぼれが
あるかもしれないってことさ」
「今の政府は無能力な貧乏弱者に
氷水を平気でぶっかけるからねぇ」
アダシが幸兵衛に同意して
何度も頷いた。
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