第6話 肉うどん

 12月28日。


 最初に書いておきます。今回、そんなに特別なことをしてないです。普通に作っただけです。


 前にドンキで某有名チェーンのうどん定価2.800円くらいが『激安!81%オフ!!』と書いてあって、


『なんだ、この中途半端な1%は?』


 と思いつつも500円は安いと思い買った。乾麺だから保存期間も長い。量も24束入っている。お買い得だ。本格讃岐うどんらしい。

 香川県に行ったことがないから、『本格』がどんなもんか分からないが、『本格』と書いてあると『本格派』な気がする。

 小説を選んでいても、『ミステリー』と『本格ミステリ』の違いはわからない。でも、わからなくていいのだ。『本格』や『元祖』や『厳選』なんかの謳い文句は、素直に信じることにする。


 その『本格讃岐うどん』がある。


 これが、昼飯になることは言うまでもない。


 妻は、蕎麦やうどんの乾麺があまり好きではない。硬い気がする、と言う。

 だから生麺の方を買ってきて作る。それか、カトキチの冷凍うどんが美味い。電子レンジで温めて生卵と麺つゆで青ネギを乗せれば、釜揚げうどんみたいにして食べられるから楽だ。


 僕はそれがコシなのか、ちゃんと茹でれてなくて硬いのかわからない。が、茹で時間を信じて乾麺を茹でる。



 僕は前職を9月末付けで辞めた。会社都合の閉店だったので、退職金のない会社だったが勤務慰労金という形でボーナスとは別にちょいと貰った。最後の月にちょっと通帳の中身が潤ったので、調子に乗った。色々買い過ぎた。

 首が痛いので、ちょっと贅沢な1万くらいの枕を買った。前から悩んでいたスタジオセブンの靴を買った。ちょっと安くなってたから、という言い訳でコートも買った。なんか分からないが、息子や娘の服も調子に乗って買ってやった。

 そしたら、今月18万も引き落とされてい。


 クレジットカードって、怖い......。


 そんなこんなで潤っていた自分が使える方の預金の余裕はなくなり、ギリギリの生活をする。(家のお金は、ちゃんと妻が貯金してくれているので大丈夫です)


 やっぱり昼飯にお金をかけたくない。


 でも冬休みで息子も娘もいる。


 お年頃の娘は、ちょっとちょっかいを出すと『マジでウザい。ちょっと放っといて!』と言って離れていくくせに、飯の時間になると『今日、お昼、なに?』と言ってくる。

 大学生の息子は、最近は飲食店でバイトをしてて、働くことと飯を作る大変さは分かるようで、遠慮しながらも『なんか食べるもの...いいっすか?』と言ってくる。

 自分でやれよ、と言いたいところだが、夜遊びが続いていると、ちゃんと飯を食ってるか心配になる。

 そしてわかりやすいのが、2人ともジャンクフードやコンビニ弁当、インスタント麺を続けると、すぐに口内炎ができる。かくゆう僕がそうなのだ。


 マックやカップ麺って美味いんだけど、すぐ調子悪くなっちゃうんですよねぇ。自分が学生の時はマックばっかり食べてて、サプリメントのようにチョコラBBを飲んでた記憶がある。


 そういうわけで、お金をかけずに何か作ろうととなると、家にあるもので作るしかない。


 乾麺のうどんに決まった。


 そして実家から貰った巨大な長ネギがある。直径4センチ以上あるのではないか。そして青い部分が長い。白いところの倍くらいある。ここを捨てるのは勿体ない。

 青い部分を切る。じゃないと、冷蔵庫に入らない。その青い部分を3つほど細切りにする。残りは冷蔵庫へ。


 冷凍庫を確認。中途半端に余っていた豚こまを発見。肉うどんにしよう。これをレンジで解凍。普通の『解凍』よりも『刺身解凍』の方が、肉の色が変わらなくていい。


 まずは乾麺を茹でる。茹で時間は12分。結構長い。そこは素直に茹でる。3人分なので6束茹でた。以前作ったとき、一人前を1束で作ったら、少なかった。

 その間につゆを作る。

 鍋に600mlの水と粉末出汁を入れる。乾燥油揚げとネギも入れる。ネギの青いところはちょっと硬いので、柔らかくなるまで茹でた方がいい。


 そこへ解凍した豚こま投入。ちゃんと解凍されてなくても、茹でてりゃ解けるから入れちゃう。


 料理人っぽく灰汁が出たら取ろうとかと思ったら、不思議と灰汁が出なかった。気にしないことにする。


 ネギを食べてみて、まあ苦くはないな、と思ったら麺つゆを入れる。昆布だしの麺つゆにした。かけうどんは水:麺つゆが、5〜6:1になってたから700mlちょっと超えるところまで麺つゆを入れる。


 麺が茹で上がったら、丼にだいたい3等分にする。炭水化物を気にする娘の分は、少し減らした。


 麺の真ん中をオタマで押して、少し窪みをつける。そこへ生卵を入れる。

 沸騰させたつゆを卵にそっとかけていく。卵の白身に色が付いてきたら、肉、ネギ、油揚げを乗せて完成。


【材料】3人前

 乾麺うどん・・・6束

 豚こま・・・100グラムくらい

 長ネギの青いところ・・・3本

 乾燥油揚げ・・・適量

 粉末出汁・・・小さじ1杯くらいかな

 麺つゆ・・・表示してあるとおり


 お好みで、生姜チューブや七味唐辛子


 ごく普通のかけうどんができた。

 寒い冬に、こういう食べ物は、なんとなくちゃんとしている気がする。出された子供たちも、あまりテンションは高くないが、ちゃんとした昼飯を食った気になる。


 そして28日は、年内最後のゴミ収集日なので、朝、大掃除も兼ねて、食器棚の食材の引き出しを整理した。冷蔵庫や食器棚、コンロや換気扇などの大掃除。本日まで仕事の妻は『年末、大掃除かぁ』と言っていたので、なるべく妻の負担を減らそうと、ここで好感度の上がることを書いておく。

 賞味期限切れのレトルト食品などを捨てて、午前中に捨ててきていた。そこに大量のうどん乾麺があったから、うどんにしたのだが、そこに期限間近の乾燥ワカメがあったのだが、入れるの忘れた!と食いながら思った。





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