第3話 読まれるきっかけ

 これは統計を取ったわけでもなく全て個人的な行動を分析した物であることをまずは断っておきます。なろうで読んでいた時期が長いため、以下はその時の基準です。


 1. ランキング

 2. ジャンル検索

 3. おすすめレビューを作品として並べている人のものを参考

 4. 完結済み高評価作品

 5. 作者の作品一覧


 【1. ランキング】については言うまでもないですね。【2. ジャンル検索】もそうです。【3. おすすめレビューを作品として並べている人のものを参考】に関してはいわゆる『もっと評価されるべき』作品を紹介してくれている人がいたんです。読む側の好みの対象として向き不向きはあれど、紹介されたものは作品としての出来が非常に良かったため、そのレビュワーの紹介していた作品はほぼ読みました。それ以前は【4. 完結済み高評価作品】を読み漁っていました。完結しているものは安心して読めますからね。

 途中で終わっているものは気になって仕方なくなりますし、いわゆるエタってしまった作品は読む対象から外してしまいます。3年前に一作品書いてわかったことですが、完結ブーストは存在しますので頑張って完結させて欲しいと思います。PVが増えました。どうしても続きが書けない場合でも章で完了させてエタらせれば読者も納得できると思います。漫画の打ち切りも無理やりですが終わらせていますよね? その後に加筆や続きを作ることも皆無ではないのでキリの良いところまでは走って欲しいです。キリが悪くエタっている作品は作者の安否を心配してしまうところもありますけどね……

 私は連載をあまり読まないので連載で頑張ってる作者さんにはありがたくない読者でしょう。私のような読者は作品を創り上げるモチベーションになりません。


 【5. 作者の作品一覧】については一度読んだ作品が優れていた場合、続けてその作者の作品を読みたくなるというものです。これはすごく当然な話なのですが作家読みというものは作品のクオリティが保証されているという点が大きいです。自分の好きだった作品の次の作品は大抵読みたくなると思います。作家のファンになっているという点ですね。ヒット作を作るということは次作ないしは過去作の読者を作ることにも繋がります。


 さて、ここまでは当たり前な話だと思います。ここから先も当たり前の話になってしまいますが、ある意味主題です。


 読まれるきっかけ、それは人との繋がりで得ることができます。いわゆるコミュ力が高いと読まれるようになります。

 自分が作品を書いただけでは中々読まれるようにはなりません。ではどうしたらいいのか? 作家同士で読みあえばいいのです。これはなろうにおいて一時期批判されたこともありました。これをすると作品の質がそれほど高くなくても日間ランキングに載るようになり、結果的に読まれるようになるからです。


 なろうではアカウントを水増ししたり仲間内で読んでもいないのに星を付けたりする行為があり、アカウント停止になっていたとかも聞きましたがそういうのは論外です。作者本人にも読者にも利がないです。それに節度を持たないと作品が可哀想です。


 カクヨムのコンテストか何かの要項の中にも似たような話が書かれていましたが、コンテストの評価はPV数や星数のみに依らないそうなので作家仲間との切磋琢磨という意味では許される行為だと思っていますし、そのように注釈されていたように記憶しています。

 

 コミュ力と言えば私は数年前、XがTwitterという名前であった頃にふと思ったことがありました。「Twitterでフォロワーを増やすとどうなるのか?」 という興味でした。当時使っていたアカウントではフォロー・フォロワー(FF)数が20程度。当時は文章を書くということはほぼせずに小説はなろうで上記の基準で読み漁っていた時期でした。Twitterユーザーからタイムラインが追えない、という声があったことが始まりでした。FF数20程度だとタイムラインは止まったようなものです。しかも大手アカウントをフォローしていなかったのでタイムラインは淀んだ川の如く、変化のないものでした。

 そこでフォロワーを相互で増やすアカウントというものがありそこで増やしてみました。結果はFF数が増えただけ、タイムラインもあまりTweetする人がおらずさほど実があるものではありませんでした。次にやったことは特にFF数を増やすという目的のためであったためTweetには一定の方向性もありませんでしたが、持ち前の水深10cmくらいな浅く広い雑学を膨らませて雑学Tweetをばらまいていったところ、いわゆる『万バズ』になりました。当時は140文字しか表現できないTwitterにおいて雑学を語るには足りないため、10~20Tweetを自己リプライにてぶら下げたものを書いたのです。1Tweet目に問題提起、次Tweetにその答えを書くことで引き込むというテクニックはコピーライティング的なテクニックだと思います。コピーライティングについては本も山程出ていますし、職場に本が転がっていたのである程度読んでもいましたからそれが役に立ったのでしょう。

 万バズをして「フォローしてね」、と書くとフォロワー数が一気に数100程度増えます。その時で500程度増えたと記憶しています。ただし、弊害もあります。

 誹謗中傷のリプライが届きだします。また、明らかに勘違いした知識のリプライがぶら下がっていきます。これらを全部処理するのは大変です。いいねとリツイート200ごとに一人程度は現れてくるように思います。バズったTweetで批判的なリプライが付かないのは良質なTweetをしている人です。数文字で笑わせてくる、驚かせてくれるなどのものは批判が付き辛い上にストレスも少ないでしょうが、知識系はどうしても学説が複数あったりする内容だと本物のプロの意見が付いたりしてこれが一番大変です。「素人質問で恐縮ですが」 という枕詞を付けてくる人ほどやっかいなものはありません。これを付けてくる人の多くは素人ではないです。一応ネットで調べれば論文はいくらか手に入りますし、そこから対応はできますが別にFF数を増やしたいだけで書いたものなのである程度興味のある内容を書いてはいますが、余暇を使ってまで討論したいわけでもないので疲れます。でも無視はしたくありませんでした。厄介な性格です。当然、知識が深まるのでその道の専門家ならありがたいのでしょうが私は素人が浅い知識で書いているだけなのである程度そのバズTweetが落ち着いたらしばらくはバズを狙ったTweetをしなくなります。それを数回繰り返してタイムラインが滝のように流れていく現象も体験できました。たまに何だかアウトプットしたくなって書き連ねることはありましたが、現在のXではもうやらなくなりました。目的がFF数を増やした世界を見てみたい、という希薄なものであったことと、承認欲求はそこまで満たせないということがわかったからです。


 この手法はWeb小説を書く上ではおそらく流用できるのではないでしょうか。インフルエンサーやアルファアカウントと呼ばれる影響力の高い作家のアカウントと繋がれば当然、目立つことによってある程度のPVは取れることができるでしょう。もちろんそれに実力が伴っていなければ伸びはしませんし、作家仲間としても結局無視されることとなるでしょう。目的はPVを取ることのみではいけません。質の高い作品を創り、そして影響力のある仲間を構築する。これは有名文豪たちもやっていたことですので恥ずべきことではないと思っています。


 ちなみに私はそこまで高い目的意識を持って創作をやっているわけではないです。これを書いているのもほぼ読者としての視点で書いているものです。私が応援コメントを書いている人に対してはただ単に応援したいからだというだけです。私の応援コメントを義理に感じ拙作を読んでいただくのは嬉しいですが、私は創作仲間としてはさほど役立たないだろうということだけは明記しておきます。読者としてもあまり期待できないです。同じことをずっとやり続けるということが出来ません。小説を読まなくなる期間も長かったです。仕事が忙しくなればそちらにしか注力できなくなります。文字を読み書きする気力すらなくなるわけですね。これから先、カクヨム活動としては興味が湧けばコンテストなども出してみたくなるかも知れませんが、現時点でのモチベーションは倒産前の会社の株価レベルです。


 コミュ力が重要と言いつつコミュ力がないというか維持できない人物の戯言ではありますが、人間として生きていくには誰かと繋がる必要があるのです。これについては以降の別の話で書いてみようかと思います。


 さてさて、適当に書き殴りましたが、貴方の作品が読まれていないのはきっかけがなかっただけなのかも知れません。読まれないとモチベーションが上がらないのはわかりますが、価値がないわけではありません。埋もれたダイヤも採掘されて磨かれなければ光り輝けないのです。埋もれたダイヤだったら掘り出す人もいるでしょうが、宝石も多種多様。それに対する好みも多種多様なのです。掘り出されないなら自ら見せつけるようにするしかないのです。きっかけ作り、面倒でなければやってみてもよいのではないでしょうか。


 エッセイや貴方の創作論を書くだけでもおそらくきっかけになりますよ。私はカクヨムにおいて注目のエッセイや創作論から作者さんに興味を持って作品を読んだことがありますから。創っても読まれない場合、違う切り口から読まれるようにしてみることをお勧めします。

 SNSや読者コメント、近況などを利用して息抜き程度にでも読者や作家と交流をしてみることはきっと無駄にはなりません。あ、嫌がらせ目的でのコメントをするだけの人やマウントが取りたいだけの人は速攻ブロックした方が良いですよ。精神衛生上よろしくないです。明治から昭和の時代に活躍した文豪達の中にはお互いをディスり合う険悪な仲だった人達もいたという逸話はありますし、実力者同士の喧嘩は創作のネタにもなるので利用するのも良いかも知れないでしょうけど、特に無名のアカウントなら切ってしまって構わないです。誹謗中傷だけを趣味にする人はいつの時代も存在しますので。


 次回は『承認欲求』という点を少し掘ってみたいと思います。

 創作論からズレていく可能性も高いですがここまでで見られるための私が試した、見られるための小手先の技術はある程度紹介できたと思いますのでご容赦のほどを。

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