スキルの確認

 さて、ドワーフの皆さんが加わり、さらに開拓は進む。

 犬、ドワーフがメインで建築。猫、ドラゴニュートが班分けして狩り。

 アースタイタンが畑を耕し、『農耕フォーム』に変形して種蒔きも始めた。

 そう……俺の出番、ほとんどなくなった。

 というわけで、俺は自分のスキルをチェックすることにした。


 ◇◇◇◇◇◇

 〇有馬ありま けい

 〇スキル『模倣コピー』 レベル24

 ・現在『精霊導師フェアリーワイズマン』 レベル11

 〇パッシブスキル

 ・精霊視認 ・精霊言語

 〇使用可能スキル

 ・精霊魔法 ・精霊召喚 ・精霊化

 〇スキルストック

 ・蹴闘士・女神の化身(クロ)・女神の化身(シロ)

 ◇◇◇◇◇◇


「ふむ……精霊魔法か。ちょい確認してみるかな」


 ◇◇◇◇◇◇

 〇精霊魔法

 ・精霊炎 ・精霊水 ・精霊地

 ・精霊雷 ・精霊氷 ・精霊嵐

 ◇◇◇◇◇◇


 よくわからん。

 攻撃魔法なのは確定……部屋じゃ使えないな。

 じゃあ、精霊召喚見てみるか。


 ◇◇◇◇◇◇

 〇精霊召喚

 ・イフリート ・ノーム ・フェンリル

 ・ヴォルト ・ニンフィア ・ウンディーネ

 ◇◇◇◇◇◇


 ゲームで見たことある名前が多いな。

 精霊……実体のない幽霊っぽい仕様かな。まあ、使わなくていいや。

 精霊化……これはなんか怖いし、やめておこう。


「これもある意味チートっぽいけど、やっぱシロとクロの魔法かな」


 ◇◇◇◇◇◇

 〇クロ ※※※歳 メス

 〇スキル『女神の眷属』 レベルなし

 〇使用可能スキル

 ・空間魔法・超越魔法・神魔法・猫魔法 

 ◇◇◇◇◇◇


 気になってたんだよな……この『超越魔法』ってやつ。空間魔法はまあ、名前で何となくわかる。

 早速確認してみる。


 ◇◇◇◇◇◇

 〇超越魔法

 ・超越化 

 ◇◇◇◇◇◇


「…………え、これだけ?」

 

 カテゴリが一つしかない。

 意味が分からんので概要を確認する。


 ◇◇◇◇◇◇

 〇超越化

 ・スキルを『超越化』させることが可能。

 ・対象は自身のみ。

 ・使用後二十四時間は対象スキル使用不可。

 ◇◇◇◇◇◇


「……なるほど。超越化ってのはスキルを強化するのか」


 使った後は二十四時間、超越化したスキルが使えなくなる。

 なんか切り札っぽい魔法だな。ちょっとカッコいいかも。

 さて、クロの魔法は確認した。次はシロで気になった魔法だ。


 ◇◇◇◇◇◇

 〇シロ ※※※歳 オス

 〇スキル『女神の眷属』 レベルなし

 〇使用可能スキル

 ・時空魔法・無限魔法・神魔法・犬魔法

 ◇◇◇◇◇◇


 時空魔法はまあ、危険ってのがわかる。

 この『無限魔法』って何だろうか。


 ◇◇◇◇◇◇

 〇無限魔法

 ・無限化

 ◇◇◇◇◇◇


 こっちもこれだけかい。

 無限化……な、なんか少し怖いな。でも確認。


 ◇◇◇◇◇◇

 〇無限化

 ・あらゆる『消費』に対する事象を無限化する。

 ・一度無限化すると元に戻すことは不可能。

 ◇◇◇◇◇◇


「…………むー?」


 つまり、消費回数のあるモノを無限にする?

 なんか難しいな……ゲームで例えるなら、回数制限のある魔道具にこの『無限化』を使えば、回数制限を消して無限に使えるってことか?

 使い道があるのかないのか……うーん。


「まあ、いいか。とりあえず、開拓の役には立ちそうだ」


 そう思い、脳内ウィンドウを消す。

 すると、部屋のドアがノックされ、エリが入ってきた。


「ケイ、暇してる? 暇ならフォルテのところに行かない?」

「おお、いいけど……フォルテの店ってエイルーンだっけ。遠くないか?」

「ミュウが言ってたんだけど、今はファルーンとの国境付近にある大きな町の支店にいるんだって。こっちに物資運んでる最中みたいだけど、たまには人のいるお店行きたいのよ」

「いいぞ。ミュウは?」

「ミュウは留守番。一緒に行きたがってたけど、お店の準備とかあるから行けないって……ふふふ」

「ははは……じゃあ、モザドゥークに乗っていくか」


 家の外に出ると、すでにモザドゥークが待機していた。

 大きさは大型バスくらい。背中に座席みたいなのを背負っている。


「ざ、座席あるけど……お前、いつの間にそんなのを」

『ドワーフの方々が作ってくれました』

「ドワーフ?」


 すると、ドワーフのリーダー、バルボンさんが来た。


「ようケイ、出かけるんだって?」

「あ、どうも。あのバルボンさん、これは……」

「おう。この犬、乗り物なんだって? 乗りやすいようにコンテナ背負ってたけど、乗るなら椅子があった方がいいだろ。突貫作業だけど、乗りやすくしておいたぜ」

「おお……」

「それと、街に行くなら頼みがある。酒を樽一つでいいから手に入れてくれねぇか? あと、立派な畑もあるし、麦を作りてぇ」

「あ、そうか。ドワーフと言えばお酒ですもんね。とりあえず樽で手に入れてきます。フォルテにも伝えておいた方がいいな……」

「わりーな。ああ、村に酒蔵と鍛冶場も作らせてもらうぜ」


 うーん、ドワーフ!! って感じだ。

 鍛冶、酒蔵、建築。俺の知るテンプレドワーフそのまま。なんだか妙に嬉しいかも。

 モザドゥークがお座りしたので、エリと二人で乗り込む。


「にゃあー、ご主人さま」

「あ、マオ。よし、マオも一緒に行くか?」

「いく」


 すると、マオが駆け寄って来たので乗せてやる。

 俺、マオ、エリと並んで座り、俺はいつの間にか見送りに来ていたムサシに言う。


「ムサシ、後は頼むぞー」

『わん!! お任せください!!』


 モザドゥークが走り出し、俺たちはフォルテの支店がある国境に向かうのだった。


 ◇◇◇◇◇◇


 一時間後、国境の街に到着……って。


「早くね!? 一時間で着けるモンなのか?」

「モザちゃんが早すぎんのよ。普通なら十日くらいかかるわよ」

「と、十日を一時間って……どんだけ早いんだ? 座り心地よくて寝ちゃったけど、全然揺れたり風を感じたりしなかったけど」

『魔法を使いシールドを張りました。揺れも感じさせないよう走りました』

「マジか……」

「アタシずっと起きてたけど、景色の切り替わりすごくて興奮しちゃった」

「……にゃ。ご主人さま」


 お、俺に寄りかかって寝ていたマオも起きた。

 頭を撫でると気持ちよさそうに目を細める。ついでにネコミミをちょっと触ってみる……ん~気持ちいい手触りだ。


「さ、行くわよ。モザちゃん、国境は結構治安悪いから、一緒にケイの護衛するわよ」

『ハッ、お任せを』

「にゃあ」


 エリ、モザドゥークをすっかり手懐けていた。

 さっそく国境の街に入ると……門兵に驚かれた。


「あんたら、シャオルーン方向から来たようだが……まさか、住んでるのか?」

「ええ、まあ」

「あそこは廃村だらけで、シャオルーン王族も滅んだし誰の土地でもないが、とても生活できるような環境じゃないぞ? かつての戦争で恐ろしい魔獣が山ほど住み着いているし……」

「いやー、けっこう住み心地いいですよ。門兵さん、ここの仕事に飽きたら、うちの村で守衛やりません?」

「はっはっは、そりゃいいな。ほれ、通っていいぞ」

「どうも」


 話のわかる門兵さんに手を振って別れ、俺たちは国境の街に入った。

 マオは初めての街に目を輝かせている。


「にゃあ。人いっぱい!! おいしそうな匂いするー!!」

「はいはい、マオちゃんはアタシと手をつなごうね」

「にゃおー」

「ははは。よし、まずは用事を済ませるか。モザドゥーク、フォルテの匂いとかわかるか?」

『クンクン……こちらです。ご案内いたします』


 さて、久しぶりの街だ。

 俺も腹減ったし、さっさと用事済ませて買い食いでもしようかね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る