第2話 消えた御神石
小さな拝殿の中に閉じ込められてしまったわたしたち。ただし
「だれの差し金じゃ?」
「目的は?」
次々と質問が飛ぶ。
村人は全員で12人もいる。道は分岐点までは1本道。
会話をまとめると、この
たしかに、
「茜もこっちにきて事情を説明してくれ」
「わかりました」
「俺の説明じゃ全然納得してもらえなくて……」
「
「今日は月に一度の神社清掃の日だ。オレたちは
「なるほど……わたしたちを疑う理由はなんですか?」
「そりゃ。あんな石ころ、村じゃだれも盗もうとしないからなぁ」
「御神石と呼ばれているのにですか?」
「見た目がそこら辺に転がってる石とまったく同じだったからな。ただ、村長の家では大切に扱うようにと、代々言い伝えられているそうだ」
「だいたいのことはわかりました。ではわたしたちが犯人でない証拠をお見せしましょう。みなさんはどうか拝殿の裏手側にお回りください」
「さすがは茜、頼りになる」
「安心するのはまだ早いです……光」
わたしは、横筋の光が漏れていた壁板を勢いよく
抜けた穴から外に顔を出す。
そこに広がる光景は、死を予感させるほどの急斜面だった。拝殿の裏手側にようやく姿を現した村人たちは慎重にこちらに近づいてくる。
「こんなとこさ、抜け穴があったとは……」
「これは計画的な犯行です」
村人一同が驚く。
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