最終話 代償
わたしは、この現実を受け入れられずにいた。
涙を流しながら、ただ
『ほほう。
わたしの頭の中でなにか低く
「だれ?」
辺りを見回す。
『
声は割れた御神石から聞こえているようにも思えた。
ハッとする。
今なら、鏡部長の意味不明な言動が理解できる。あの不思議な力。あの力があれば、もしかしたら茜を助けられるかもしれない。
わたしは
茜の周囲が青黒い光に包まれる。
わたしは指を組んで一心に祈り続けた。
数分後――青黒い光が消え、茜の顔に血色が戻る。わたしが「お姉ちゃん……」とか細い声で話しかけると、茜は大きく咳き込みながらもゆっくりと体を起こしたのだった。
※※※
――数日後――。
あの石は別名『
それから鏡部長は現在、消息不明となっているそうだ。
ただ、茜が死んでいないことを知れば、再び姿を現すかもしれない。だからわたしは、姉を守るため保科茜を名乗ることにした。顔はそっくりなのだから問題はないだろう。
「遊びにきたよ〜」
姉の明るい声が
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