セカイノオワリニキミヲ想フ

天魔ちゃん

第一話 世界の端にて。

「『この世界では大きく分けて魔族と人間が暮らしている。

魔族は魔術を、人間は法術を。

法術は、魔術ほど素晴らしくはないが、人間の知恵の結晶である。

その法術を最も上手に使えるのは、法術師のリルム・グルーセウン。

だが彼女はどこかへ行方不明になってしまった今、我々に勝ち目はないと言えるだろう。』……ですって。師匠。そろそろ戻ったらどうです?」

「やーだね。戻るもんか。だいたい、あのグルーイスがうるさいんだしさ。つまり、めんどくさいのさ。」

「師匠…。でも、人間、結構魔族に押されてますよ。戦ったらどうです?」

「めんどい。」

(ハァ…)

きっと、私が心の中でため息をついたのは、師匠にバレているんだろうな。

師匠はめんどくさがり屋だが、超超一流の法術師、リルム・グルーセウン。

そんな師匠の弟子、アストロ・ゲニオ。

「う〜ん。でもそろそろ加勢してやるか。よし、アストロ。私の杖を持ってきて……って法術で持ってきたらいいか。『グルータ』。」

「わわっ。あれ、私のも取ってくれたんですか?ありがとうございます、師匠。」

「いいよ。ところで。そこら辺のモンスターでも狩ろうか。」

「わかりました。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

セカイノオワリニキミヲ想フ 天魔ちゃん @umasiopoteti

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る