第20話 イギリス石油メジャーとホワイト水素

 水素エンジンの話題を考えて見ましょう。まず、その水素と言うのはどこにあるか?です。これは海の水を電気分解して…という話ではありません。燃料の為に燃料以上のコストとエネルギーを使うことになります。


 これは天然水素、いわゆるホワイト水素という地中に埋まった水素を採掘することになります。現在の採掘国はマリ共和国というアフリカの国がほとんどの様です。じゃあ、困るじゃないかというとそうではなく、日本を初め世界各国で天然水素が発見・発掘されています。長野の温泉地だそうですね。海底からも見つかっているそうです。そして、既知の場所から言ってもっと見つかりそうですね。


 で、水素の前に今の石油の話です。さて、現在の石油利権を握っているのはどこでしょう?アメリカ、ロシアはもちろんですが、実はイギリスが石油メジャーという巨大石油資本の多くを握っています。

 北海油田という石油の採掘そのものもイギリスは大きな収入源ですが、イギリスの石油資本は中東の石油利権の多くを握っています。

 その利権の為にイギリスは例の1900年代初頭の秘密外交、サイクス=ピコ条約、フサイン=マクマホン宣言、バルフォア宣言などの非常に汚い外交を行いました。その結果が今のガザ地区です。イギリスを初め欧州の貴族・上流階級のやり方です。


 イギリスはこの石油利権がなくなると困るわけです。これが彼らが大国でいられる大きな理由の一つです。イギリスやアメリカが本気で二酸化炭素の問題に取り組むわけがない理由でもあります。

 そして、水素燃料というのはまったく新しいエネルギーで利権を得る理由がありません。水素エンジンの技術も抑えていません。そして何よりイギリス本国では埋蔵されていません。


 ですので、EVよりもよほどクリーンで効率が良く、今の内燃エンジンの技術転用ができる水素エンジンを推さないか、と言えばもうわかると思います。水素だとイギリスが覇権が取れないから、です。


 もちろん、各国の思惑に濃淡はあるでしょう。原子力発電の推進とかトヨタ潰しとか。ただ、明らかに有望なエネルギー政策である水素を選択しないかと言えば、クリーン過ぎて、あるいは各国に広く埋蔵されすぎて、利権が分散してしまうからです。


 ひょっとしたらEVは原子力推進だけではなく、水素へのエネルギーシフトを阻止する目論見なのかもしれません。石油や原子力を天然ガスを中心とした今の世界の枠組みが変わってしまいます。





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