第13話 ギガキャストのメリットとEVの加速性能

 メガキャスト、ギガキャストと呼ばれるボディの一体成型の技術は、1事故で全交換になり、コストがかかる面という負の面はあります。


 が、一方で車の重要な要素である剛性が上がるというメリットがあります。いろんなパーツを組み合わせていない、1つの部品ですので固くなるということでしょうか。剛性が高まると振動を外に逃がしやすくなり乗り心地はアップすると言われています。


 さらに走り屋の人じゃないと関係ないかもしれませんが、車が柔らかとフニャフニャしてカーブが安定しなかったりします。剛性が高いと狙ったカーブのラインに車をスムースに走らせることができます。


 が、デメリットはロボットアニメみたいな話ですが、正確に運転できるできるということは、不正確な操作を正確になぞることになり悪い走りにつながりやすく、ミスを許さない作りになるみたいです。レーサーですら雨の日などはわざと剛性を落とすそうです(エンジンルームに剛性を上げるバーを入れているのを外したりする…らしいです)。


 で、今までは車の運転の上手い人が剛性を上げたい場合、溶接の場所を増やしたり、何枚も鋼材を重ねたりするらしいですが、この溶接がスポット溶接とかいう技術で、結構な熟練技とのこと。

 美しい円を描くような仕上がりの溶接が要求されるみたいです。テスラがこれに挑戦したけど品質が安定せず、ギガキャストに踏み切ったとも言われています。


 日本も高齢化で熟練工が足りなくなれば、いずれガソリン、ハイブリッド、水素などいろんな車、特に修理コスト度外視での高級車では普通になるかもしれません。


 そうすると保険会社のリスクは高まるでしょう。ただ、衝突安全技術が進化すれば、事故率が減ると思いますので、その分低コスト化して欲しいものです。そして、工数が少なるなるということはやはりコストダウンの恩恵があるとのことで、初期費用は安くできるのでしょう。


 それともう1点。トルクの問題です。EVの良さは低回転時からの圧倒的トルクです。つまり、加速性能に優れています。数百万円のEV車でも数千万のスーパーカー並みの加速が得られるそうです。ゼロヒャクと言われる100Mの加速性能ではガソリン車のスーパーカーは2秒を切れないそうですが、EV車には切れるものもあるとのこと。


 また、トルクが高いということは、回転数を上げれば馬力がでます。新型のハマーEVのトルクは15600Nmと言われても良く分かりませんが、1000馬力だそうです。

トヨタ2022年モデルのランドクルーザーが500 Nm、日産24年モデルのGTR R35が最大トルクは637Nmだそうです。ウニモグと呼ばれる軍用車両が1300Nmだそうで。桁が違い過ぎて比較があっているか自信がなくなります。スペックは確認してみてください。


 しかも、EVの特性として、急加速しても燃費は変わらないとの事です。


 こういう優れた面もギガキャストやEVにはあることとはおさえて置いた方がいいでしょう。





 





 

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