第2話 原子力発電所の是非の理由が根本的に違う
環境問題でCO2を出さないエネルギーとして原子力を考えるか?です。EVの普及とももちろん関わってきます。
経済的に原子力発電所がないと駄目だ。設計上の安全性を考えれば反対派の言っていることは馬鹿なことだ。ユーチューブ等で著名なインフルエンサーも言っているし、有象無象が良く語っています。
工学的、科学的に安全であるというのは多分本当なのでしょう。効率がいいのももちろんでしょう。ただ、論点として一つ大きな視点が抜けています。
もし、事故が起きたらその周辺の人命、生活、産業、環境に大きなマイナス影響を与える、ということです。
人間は3つの大きな原子力発電所の事故を経験しています。スリーマイル島1979年、チェルノブイリ1986年、福島原発2011年です。
3つともメルトダウン、つまり炉心融解という状態になりました。ちなみにスリーマイル島では乳幼児のガンが増加し、炉心が解体できるのが2059年との事です。つまり事故に収拾がつくまで80年かかります。チェルノブイリはもっと深刻なようですね。ロシアなので正確な情報はわかりませんが。
その他、中国等で発表されていない原発事故の可能性も指摘されていたりします。
基本的にすべてヒューマンエラーだということです。工学的安全性など正直なんのセーフティーにもなりません。
東海村の被ばく事故はウラン235をバケツで取り扱って起きた事故です。要するに人間は馬鹿なのです。こういう「重大な危険」の「可能性」は人間が失敗する確率で考える必要があります。
作業ミスの確率×チェックで見逃す確率ですね。探しましたがあまり通説は無いようです。説得力がある意見として9ppmというのがありました。100万分の9ですね。
が、問題はそこではありません。パニック時には10%以上になるという説を結構見ました。パニック時=地震による電源喪失で起こるべくして起きたという感じでしょうか。
要するに経済合理性や工学的科学的安全性をいくら言われても、この地震時のパニックとヒューマンエラー。このコンボが日本は来る可能性が非常に高い国家です。
それともう1点。戦争ですね。どんなに馬鹿な国家でも交戦時に大ダメージを与えられるのは原子力発電所だと分かるはずです。ウクライナでもちょっと話題になりました。結局世論やその攻撃をやったあとの影響が大きすぎるので回避できたようですが、負けそうになった国家が何をするかわかりません。
また映画「バックトゥザフューチャー」では核燃料が奪われていました。更に「パイナップルアーミー」というマンガでは核廃棄物がテロリストに奪われます。これが使われる可能性ですね。これには核爆弾のようなテクノロジーは必要ありません。
ということで原子力発電所は、本質的には安全だし経済合理性はあるけど「作ってはいけない設備」であるということです。それはたとえ1億分の1の確率であってももし事故が起こった後の影響が悲惨すぎます。
未来の世代につけを残さないとかはまずおいておきましょう。そんなことよりもヒューマンエラーや悪意により事故が起きた場合のマイナスの影響が大きすぎる。そして、それは人類はわずか50年の間に3回あるいはそれ以上の回数を起こしているということです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます