『灰』の異端審問官 -Ashputtel CruSaviors of BeyoEnd-

舞竹シュウ

第一篇 『白き星の少女と灰かぶりの少年』

始章 『魔法の終わり』

一話『最愛のあなたへ、嘘つきの私から』

——最期まで君の隣にいる、と少年は言った。


 魔術の使えない少年。けれど、彼のくれた日々は少女にとっては魔法のようだった。幸せで暖かくて、ずっと夢見ていたモノがそこにはあった。


「今までありがとう」


 だからこそ、少女は暖かな日々に背を向けなくてはならない。

 二対の氷の翼。白銀の髪の上に輝くノイズ交じりの天使の輪エンジェル・ハイロゥ


 いつか世界を壊す天使、それが彼女。


 少年が目指す『異端審問官』の敵。


「そして、さようなら。私なんて忘れて幸せになって」


 隣に居たいと願う彼の幸せのために、夢のために、自分は邪魔でしかなかったから。


 これは少女にかけられた魔法が解けるまでの物語。


 ——異端審問官がその手で天使を落とす物語。

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