第23話 2章あとがきのような小雑記

  ここまで読んでいただきありがとうございます、筆者です。

 2章のあとがきのような小雑記を少し……。

 2章も短編を再編集したものになりますが、ラウル視点とファルティ視点で進行する形になりました。話の大筋は変わりませんが、主にラウルのメンタル面でのダメージが大きくなっていたりします。


・ルクール

 短編版に引き続き落命する悲劇の人。

 短編版ではあまり掘り下げなかったラウルとの関係を1章から続いて書くことができたので、よりお辛さが増しました。作中において恐らく屈指の善人で死に関しても何の落ち度もなかった人。この世界では何の非もない人でも悪意の中では無惨に命を落としてしまうのです。

 内面的にも優しく思いやりがある大人の女性な一方、一途にラウルを想い支える芯の強さもありました。ジャニスを自分の手で討った後のラウルが精神を病まずに戦い抜けたのにはルクールの支えが少なからずありました。

 両片思いで、周囲からはじれったいからはやくくっつけよと思われていた矢先の出来事だっただけにラウルだけでなく周囲の人間の心にも影を落とす事となりました。

 ラウルもジャニスの事への罪悪感や後悔があってルクールの気持ちに素直に頷けなかっただけで一人の女性としてはきちんと好きでした。

 これでラウルは2度、愛した女性を喪ったことになります。


 たられば、もしもで語るなら生存していたらメリーバッドエンドにならずにハッピーエンドになるであろうターニングポイント、ゲーム的なルート分岐のイベント。

 ルクールが死ぬことなくラウルと再会できていたらラウルを叱咤激励して再起させて、魔剣と天剣を手に勇者ではなく英雄として終末世界をもう一度救う王道ファンタジーになるルートに突入します。

 そこにたどり着くには条件が幾つかあって(作中でもそのうちいくつかはぼんやりとヒントだけ配置してありました)、それを満たしたら出てくる裏ルートみたいなものなのでゲームでいう2周目とかみたいな条件じゃないとたどり着けないかなとは思います。

 その場合だと魔神を交えたラウルとの関係を含めて異世界ハーレムものになって、今の本編のような陰惨とした話にはならなかったでしょう。……でもそうはならなかったのです。


 魔神

 短編版とは違いラウルの視点が入った事でより得体の知れなさが出てきました。なぜ魔剣なんて物騒な代物を産みだせるのかは……いずれ明らかになるでしょう。

 天騎士殿に対しては執着を見せてとても気に入っているので、今度も基本的には傍観者の立場から天騎士殿の物語が面白くなるようであれば都度協力をしてくれるはずです。


・公国の人達

 今回の大戦犯ズ。元々エルフの国の肥沃な大地に目をつけていたので魔王顕現前から小規模な小競り合いはしていましたが、魔王の存在もあっていったん落ち着きました。

 国民としての人数はいるので兵士の人数は多いものの魔法力に乏しい事や自国で生産できる装備が貧弱なのでエルフの国の支援があってやっと魔王軍を退ける事が出来ていたのです。

 公王が傲慢な恩知らずなのは、帝国の縁戚であるため。そして帝国の支援が約束されたことで改めてエルフの国への侵攻を開始してその結果は……。

 公王は内政に関してはそれなりに才能が有ったので傲慢に自尊心を肥大化させました。子供達もその傲慢さを色濃く受け継いでいます。

 三男の行動に関してですが、本来はルクールの捕縛までが父親に課された指示でしたが色々あって“お楽しみ”に走り、結果として戦火を拡大どころか爆発させた大体全部こいつのせいです。そのあたりの事については後の章で触れられる時があるでしょう。

 三兄弟ですが次男は行間に現れることなく戦死してます。次男と三男はそれぞれ王位継承権への野心がありましたが、弟たちを見下す長男に対して次男と三男の間の関係は良好です。

 そんな次男は有象無象と共にファルティの矢でミンチよりひどい有様になって死ぬという公国の王女視点での“ざまぁ”回も案にはあったのですが、視点がかわりすぎてしまうなと割愛してしまいました。

 三男が惨死した後、弟の仇を取ってみせますと意気揚々と出陣した次男が左足だけ帰ってくる(のっていた馬のあぶみに残ってた)みたいなイベントを書こうかと思いましたがグロいだけなのと別にわざわざ書かなくても公国は惨い滅び方するしなぁという事で長編に再編集するときも結局御蔵入りとなりました。

 長男は安全なところにいて美味しい思いだけをしたいというタイプなので絶対に戦場に出なかったので国が滅びる時まで生き延びていますが結局死ぬのが早いか遅いかだけの差でしたね、合唱。

 王女はヒステリックに騒ぎ立てて死んでしまったのですが王女としては特に可もなく不可もなく、あえて言うならブラコン気味だったのでその分ファルティ憎しになっちゃってたのでしょうね。公国の王女視点でのざまぁ回をいれていたらもうちょっとヒステリックな描写に対する裏付けになったかなぁと……。

 結局帝国に踊らされる形で滅び進んでいってしまいました。


 3章以降は短編に無い新章となっています、引き続き読んでいただければと思います、宜しくお願いいたします。


 ブクマ、応援、コメント☆ありがとうございます、モチベーションを支えて頂いています。コメントもお返しできていませんが読ませていただいています。誤字は少しずつ修正していきます……!

 というわけで次章以降もお読みいただければ幸いです、宜しくお願いいたします。

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