第4話 剣ヶ峰クライシス

理人はりんの言葉を心に刻みながら、ミヤビとの出会いと彼女との約束を思い返していた。ミヤビは彼に新たな意味を与え、彼の人生に光をもたらした存在だった。彼は彼女と共に戦った瞬間から、彼女の重荷を共に担う覚悟を決めていた。


 彼の心には、ミヤビとの約束が鮮明に焼き付いていた。


「ミヤビと出会ってから、僕は自分の人生に新しい意味を見出したんだ。彼女との約束を守るためにも、このペンダントに宿るオーパーツの力を完全にマスターして、悪の組織が目指す理想の世界を打ち砕かなければならない。」


 理人は凛の手を握り返し、決意を新たにした。


「僕は、母さんの愛と父さんの過ちの間で生きているけど、自分自身の道を見つけて歩いていく。ミヤビとの約束を果たすためにも、この試練を乗り越えてみせるよ。」


 凛は理人の言葉に微笑み、彼の成長を誇らしく思い、「理人くん、あなたはもう立派な若者よ。どんな困難も乗り越えられると私は信じているわ。」と励ました。


 そんな理人の心は新しい希望と決意で満ち溢れていた。彼は自分自身と過去と向き合い、ミヤビとの約束を胸に新たな未来への道を切り開く覚悟を再確認した、その瞬間、病室のモニターに異変が起こった。


 理人のバイタルサインが急速に変動し始め、理人の瞳には、エレメンタルフォースによる過剰反応が現れていた。先の戦いで、ミヤビから託された古代魔法(オーパーツ)が宿るペンダントのおかげで、理人の視力が裸眼で見られるくらいにまで回復していたのだが、ミヤビとの約束を交わした情景が目に浮かんだ途端に、彼の体内で制御不能な変化を引き起こしていた。


 理人は、高熱と苦痛にうめき声を上げ、彼の瞳は遠い記憶の世界に没入していた。突如、病室に駆け込んできたのは、ドクター・アレクサンダー・フィールズと、ナースロイドのジュディ・アンドールだった。フィールズは落ち着いた様子で迅速に編成された医療チームを指揮し、理人のバイタルサインを安定させようとした。そして、フィールズは深い思索の後、凛(りん)に向けて静かに言葉を紡いだ。


「この状況は、わしが今まで見たことのない現象かもしれんが、全力は尽くそう」


 病室内は静かな緊張で包まれ、ジュディは意識を失いかけている理人や、その傍らで動揺している凛に向けて、慈愛に満ちた声で話しかけていた。


「大丈夫です。ここには理人くんを守るための医療チームがいます。」


 ジュディの声は、機械的な境界線を超え、健気に心配する人間の温かさを感じさせた。


 しかし、理人の心は、過去の戦いの記憶とミヤビとの約束の強いフラッシュバックに包まれていた。彼の手首には、ミヤビから託された古代のペンダントが静かに輝いており、その中のオーパーツが未知のエネルギーを放っていた。このペンダントは、ただの装飾品ではなく、彼の体内でエレメンタルフォースという神秘的な力を反応させていた。


 その力は、理人のDNAと奇妙な調和を成し、彼の体内で未知のエネルギーを生み出していた。これは、彼の体が受け入れるにはあまりにも強力で、彼のバイタルサインは不規則に変動し、体温は異常なほどに高騰していった。


 

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