第6話 肉だ!風呂だ!もふもふだ!


 罠にかかっていたイノシシをさっそく食べることにする。

 落とし穴の上から剣で攻撃して倒す。

 イノシシからいくつかの生肉がドロップした。

 さっそく生肉をかまどに入れて焼いてみよう。


 しばらくすると、すぐに美味しそうな焼き肉になった。

 私はそれにかぶりついた。

 肉に歯を立てると、じゅわっと肉汁があふれてきて、口いっぱいに広がる。

 野生のイノシシってこんな味なんだ……!

 野性味あふれるワイルドな風味がして、元気が出る。


「う~ん! 美味しい……!」

 

 久しぶりにお肉食べたよ。

 あ、でも私エルフだけどお肉食べていいのかな。

 まあいいか。

 これパンに挟んで食べたら美味しそうだな。

 

「うん! いける!」

 

 パンに挟んでも美味しい。

 こうなるといよいよ調味料が欲しくなってくるなぁ……。

 さて、お肉食べて元気出たし、今日はちょっと出かけてみるかな。

 

 森の中を探索しよう。

 鉄の剣があるし、ゾンビとかも倒せることがわかったからね。

 私は森の中へ入っていく。

 ちなみにメープルはお留守番。


 しばらく森の中を歩くと、いろんな種類の木があることがわかった。

 リンゴがなっている木を見つけた。

 リンゴをとって食べてみる。


「うん、美味しい」


 これ……もしかして植えたらリンゴの木になったりするのかな?

 一応リンゴをいくつか持って帰ることにした。


 他にも、謎の木の実がなっている木を見つけた。


「これ……なんの実なんだろう……?」


 私はその木の実を鑑定してみた。

 すると――。



 ◆サトーの実

  甘い味のする木の実

  砂糖の原材料



「まじか……!?」


 どうやらこの世界では、砂糖の木の実があるらしい。

 原材料ってことは、これを分解すれば砂糖になるのかな?

 とりあず、サトーの実とやらをクラフトメニューに突っ込む。

 すると、サトーの実は「砂糖」×1に変化した。


 クラフトはこのようにアイテム単体でクラフトすることもできる。

 例えば、木材ブロックをクラフトメニューに単体でぶち込むと木の棒×10になる。


「おお……! これで砂糖が使える! もしかしてだけど、他の調味料がなっている木もあるのかな?」


 私はさらにいろんな木を探した。

 すると、他にも「シオの実」や「コショウの実」などがなっている木を見つけた。

 どうやらこの世界では森の中だけであらゆる調味料を採取可能らしい。

 私は数時間かけて、いろんな木の実を集めた。


「これも持って帰って、いくつか植えてみるか……」


 けっこう家から離れたところにしか、木の実なかったから、家の近くでもとれるようになれば便利だ。

 さて、そろそろ暗くなる前に帰らないとな。

 そう思った矢先。

 木の陰から、なにやら人影が現れた。


「もしかして、ゾンビ……!?」


 私は剣を構える。

 だが、現れたのはゾンビじゃなかった。

 そこにいたのは、骸骨の見た目をしたモンスターだった。

 鑑定してみると、名前はボーンアーチャーというらしい。

 ボーンアーチャーは、手に弓を持っていた。

 私に向けて弓を撃ってくる。


「わ……! あぶない……! やめてやめて!」


 こっちは剣だから、遠距離攻撃されると困る……。

 なんとか木の陰にかくれながら、弓矢をかわす。

 んで、ボーンアーチャーに近づいて……。


「いまだ……! えい!」

「ギャ!」

 

 なんとか近づいて剣で攻撃。

 ボーンアーチャーを倒すことができた。

 ふぅ……あぶなかった……。

 ボーンアーチャーからは、「骨」がドロップした。


 帰り道、何度かボーンアーチャーに襲われるも、全部倒す。

 いくつか骨が集まったけど、これ何に使うの?


「さて、ただいま~メープル」

「メェ~」


 家に帰ってきたので、さっそく手に入れた木の実を植えてみることにする。

 まず、スコップで穴を掘って、そこにリンゴを植える。

 すると、キラキラしたエフェクトが出て、苗木が現れた。


「おお……! いい感じ」


 どうやらリンゴは栽培可能なようだ。

 他にも、サトーの実、コショウの実、シオの実、もそれぞれ植えておく。


「よし、せっかく調味料が手に入ったんだ。さっそく料理するぞ!」


 まずシオの実をクラフトで「塩」にする。

 私は今朝焼いた肉に、塩をかけて食べてみる。


「うん……! これだよこれ! やっぱ味付けがないとね!」


 塩味になるだけで美味しさ100倍だ。

 魚にも塩かけて食べたら美味しいだろうな。

 あ、リンゴもあるから、パンにリンゴ挟んだりしても美味しそう。


 庭で一人、焼き肉を堪能していると――。

 森の中から、小さな犬?がやってきた。

 小さくてかわいくて、もふもふの犬は、私の足元にやってきて、「クンクン」と匂いを嗅いだ。

 どうやら肉の臭いに誘われてやってきたようだ。


「おーよしよし、どうした? お肉食べたいの?」

「くーん」


 子犬は私の目を見て、物欲しそうな顔するので、肉をわけてやることにした。

 肉を地面に置くと、犬はおいしそうにかぶりついた。


「かわいいなぁ……」


 そうだ、せっかくだからこの子もテイムしてみようか。


「えい! テイム!」


 すると、【フェンリルの子供×1のテイムに成功!】と出た。

 え……!? この子フェンリルだったの!?

 なんか強そうな名前……。

 大きくなったらつよつよになるのかな?

 まあ今は可愛い子犬にしか見えないから、どうでもいいか。


「えーっと、名前は……。シャル。でいいかな?」

「ワン!」


 シャルは私になついてくれたようで、ぺろぺろ指を舐めてくる。

 可愛いなぁ……。

 これでもふもふ2匹目だ。


「そうだ、さっきのボーンアーチャーから拾った骨。これよろこぶかな?」


 私はシャルに骨を与えてみる。

 すると、シャルは嬉しそうに骨を噛み噛みして遊び始めた。

 よかった。

 もしかして、骨投げたら遊んでくれるかな?

 私は試しに骨を遠くに投げる。

 すると――。


「ワンワン!」


 シャルは嬉しそうに骨を拾いにいくと、私のもとまで戻ってきた。

 んで、骨を返してくれる。


「おー、えらい。かしこいぞ!」


 私はよしよしとシャルを撫でる。

 シャルは尻尾を躍らせて、嬉しそうだ。


 そっからしばらく、シャルと骨を使って遊んだ。

 私も久しぶりにいっぱい運動して、汗をかいた。


「うわ……汗でべっとりだ。これはそろそろお風呂入りたいなぁ……」


 ……ということで、急遽お風呂を作ることにした。

 大浴場にもあこがれるけど、とりあえずは私とメープルとシャルが入れたらそれでいいよね。

 ということで、五右衛門風呂を作ろう。

 ちゃんとクラフトメニューに、風呂があった。


 

 ◆小さな浴槽

 必要素材

  ・木材ブロック×10

  ・鉄インゴット×5



 さっそくそれをクラフトして、庭に置く。

 露天風呂だ。

 んで、バケツで水を汲んでくる。



 ◆バケツ

 必要素材

  ・鉄インゴット×3



 バケツで何回か往復して、浴槽いっぱいに水を張る。

 んで、火を起こしてあっためる。

 しばらくして、お風呂がわきあがった。


「よーし、さっそく入ろう!」


 私は服を脱ぎ捨てて、お風呂の中へ。

 うーん、気持ちい……!


「生き返る~!!!!」


 久しぶりのお風呂は最高だ。

 シャルとメープルも一緒に入りたがったので、入れてやる。

 みんなで湯舟に使って、幸せな時間を過ごす。

 森の中でもお風呂があれば快適だね。


 歌なんか歌っちゃったりして。


「ふんふ~ん♪」

「わんわーん!」

「メェ~♡」


 風呂を堪能して、そろそろあがろうかというときに、気づく。


「あ……! タオルがない!」


 そう、身体を拭くタオルがないやんか。

 タオルってどうやって作るんだ?


 

 ◆タオル

 必要素材

  布×1



「詰んだ……」


 布なんてないんだけど……。

 羊毛で作れないのかなぁ?

 メープルはすでにもふもふな感じまで羊毛が生えてきていた。

 だから羊毛から作れるんなら、タオル作れるんだけどな。


 しかたない……。

 上着を千切ろう……。

 私は着ていた上着の一部を千切って、布にした。

 んで、それをクラフトでタオルに。

 それで身体を拭いた。


「う~上着がないと冬とか寒いだろうな……。それまでになんとか上着を調達しないと……」


 とりあえずは上着がなくても、薄着でも大丈夫そうだ。

 夜はちょっと肌寒いけど、まあ布団に入れば大丈夫。

 上着はちょっとちぎれたけど、まだ着れないことはない。


 風呂から上がって、タオルを焚火で乾かす。

 んで、夕飯を食べて、寝る。

 今日も忙しい一日だった。


 新しくシャルという仲間が増えたり、調味料が手にはいったり、いい一日だったな。

 明日もがんばろう!

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