第3話 気になる睫毛(まつげ)

「ふとまゆ」は。

あくまでも小説の中の呼び名。


登場する人々は。

彼のことを特に区別したりしない。


ただ。

シンプルに。


「ゴッホォ・・・」

と。


声ともつかないものを吠えるだけだった。


だから、だろうか。

大きな焚火の向こうに。


いつも気になっている。

メスのゴッホォ。


彼女を見つけた時。


「ふとまゆ」は。

何故か顔を俯かせるのでした。

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