第6話
ゆいに手を伸ばす。
「これが姉妹愛というものか泣けるねー」
そう言いながらのぞみの手を足で踏む。
「ぐうぅぅ」
「ああ死んでしまった妹をそれでもなお姉が必死に守ろうとする」
足の力が強まる。
叫びたいが叫んだら胸を貫かれるので耐える。
「ふうぅぅーふ、ふうぅうぅぅうぅぅ」
「ああなんて美しいんだ」
メキョッと嫌な音がした。
手を見ると指があらぬ方向に折れ曲がり手の甲の骨は砕けていた。
「ぐっギグフッフー……っフー」
「我は感動したその姉妹愛にああなんてなんて気分がいいんだ」
男は自分で自分を抱きしめて身震いした。
「の…ぞみ…」
「ゆい!?」
ゆいが起きあがろうとしていた。
「のぞ…み」
「ゆい!」
「の……!!!」
ゆいがたとうとした時。
「だめだ」
男がゆいを足で地面に押さえつけた。
「せっかくのいい気分が台無しだ。それにしても生命力が強いな、まぁじきに死ぬがどれだけ耐えられるかな?」
男は歪んだ笑みを浮かべゆいに近づく。
「待って…やめてもう……これ以上何も奪わないで…」
ゆいに手を伸ばす後少し少しなのにそれが果てしなく遠く感じる。
「ああああああああああいいいいぞ見事な光景だまさにまさに…踏み躙るには最高の光景だ………なんだ!?」
「助けて…お兄…ちゃん」
突如としてダンジョンに爆音が響き地面が揺れる。
「なんだ!?って我の玉座が!」
天井から何かが勢いよく落ちてきて玉座にぶつかった。
煙の中から人が出てきた。
「もう大丈夫だよ。後は私に任せろ」
いつのまにか自分の横に現れそう言われた。
その言葉が妙に落ち着きを与え自然と意識を手放す。
◇
誰かに呼ばれた気がしてここまで真っ直ぐきたが酷い光景を目にした。
一人は無惨に胸を貫かれ一人は全身を痛めつけられていたが
それ以上に怒っている自分に驚いた。
原因と思われる男を殴り飛ばす。
傷だらけの子を安心させ寝かせる。
「もう大丈夫だよ。後は私に任せろ」
剣を取り出し二人に近づけると剣が緑色の光を発し傷を治す。
「貴様ああぁぁ!何をした!!!」
「別になんでもいいだろ」
「言い訳あるか。我の行いを邪魔した報いを受けよ!」
「知らんし誰だよ」
飛びかかってきた男の顔面を殴り地面にめり込ませ剣で細切れにした。
だが細切れにされた男の肉がくっつき始めさっきの男の姿に戻る。
「よくもやってくれたな覚悟しろ」
再生後男はすぐに後退した。
「再生もちかだからなんだって話だけど」
「強がるなよ
「いやお前のほうこそ強がんなくていいよ」
「フハハハハ何をいうかと思えばもう勝ったつもりか?死ぬのは貴様だー!」
そういうと男の体は膨張し巨大な化け物もなった。
「泣け叫べ怯えろ恐怖しろ!!」
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