第5話

二人は青い光に包まれる。

さらに青い光がのぞみをゴーレムの攻撃から防ぐ。

「これで一安心」

ホッと息をつき瞬きをすると目の前の光景が一瞬で変わった。

「えっ、あれここはどこ?外じゃない?」

「あれ?のぞみここ外じゃないよね」

「ええだって外は森のはず」

だが目の前に広がる光景はお城の王の間らしき空間に壁に人型の生物が心臓を棒で貫かれ磔にされていた。

そして奥にある玉座と思われる椅子には全身を黒の服で固め金色と赤色のマントをはおり頭には錆びた王冠、腰には剣を携えた男性がいた。

「この空間に来てから少し胸が苦しいのってもしかして」

「その可能性が高いわね。でもそれならこの圧はB級じゃなくてS級クラスのじゃない!?もしかしてギルドの情報が間違っていたの?」

「そうっぽいね。とりあえずここから逃げ出したいけど…どうやら逃げさせてはくれないみたい」

玉座に座る男は目を開くするとさっきよりも空気が重くなる。

「ぐっ!胸がいたい」

「ゆい大丈夫?」

「ほう下等生物ゴミがもがくか。女子おなごか少し良い血が期待できそうだな」

「ぐううぅぅぅうう!」

「ゆい!」

男が発する言葉一つ一つにとても圧があり今にも押しつぶされそうになる。

あまりの圧にゆいは武器を地面に落とし倒れる。

のぞみは剣を地面に刺し支えとしたので倒れずには済んでいるが意識が消えそうになる。

「ところでだが我の城に入った賊よ。楽に死ねると思うなよ」

圧がさらに高くなる。

このままではゆいものぞみも死んでしまう。

「どうにか…どうにか…する方法はないの」

必死に自分のバックを漁る。

だが出てくるのはマッチや食材や戦利品や一枚の写真だけ。

「何をしている。まさか我から逃げようとしたか?」

いつのまにか男はのぞみの前に立っていた。

「逃さんぞ我の城に無断で入った下等生物ゴミが苦しませてから殺してあげよう」

そう言って男は爪でのぞみの腕を切る。

「きゃあああぁぁあああ!」

「うるさい黙れ聞きたくもないさえずるな」

男はのぞみの顔を持ち上げそして顔面から地面へと何度も叩きつける。

「うああぁぁうぃぁぁぁぁ……」

のぞみの歯が何本か折れる。

「黙ったか。はぁ下等生物ゴミの声など聞きたくもないのに聞いてしまった嫌になる」

手を離しのぞみを地面に落とす。

「さてそちらの苦しんでいるゴミよ。死ぬ覚悟はできているな、散々叫んだのだ死ね」

横たわっているゆいを足で蹴り上げ落下地点に先周りし手を突き出す。

ゆいは背中から胸を貫かれ心臓を抜かれた。

「あ、ああぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

のぞみはすぐに意識を取り戻し立ちあがり目の前の光景を見て一心不乱に男へと拳を振るう。

「だから黙れ」

がいとも簡単に払われ足で地面に叩きつけられる。

「誰か…た…す……けて」

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