離婚後の手続

年末に離婚した私は、マンションを引き払い、電車で約1時間の距離にある実家へ帰りました。私はまず、こんな結果になってしまって申し訳ないと両親に謝りました。昭和チックな義務感からではありません。心からの本心です。私はてっきり怒られるか、あるいは皮肉の1つでも言われると予想しましたが、両親の答えは「あんたが幸せならそれでいい」でした。肉親の情けが身に沁みます。


さて、年が明けたら離婚後の様々な手続をしなければなりません。まずは名字の変更ですが、これはただ面倒なだけで難しくないので、ここでの紹介は省略します。意外と難航したのは携帯電話の解約。サポートセンターに連絡したところ、解約するにはまず家族割引を解除する必要があり、そして家族割引の解除は主回線の持ち主(つまり夫)しかできませんの一点張り。


私は事情を説明しました。夫は夜逃げして音信不通なんです。電話は着信拒否、メールは無視、SNSは未読スルーされています。一度も会えないまま義父と離婚協議を重ね、先日やっと離婚したばかりで、本人へ連絡する手段がまったくありません。音信不通なら直接会え? いや、居場所を教えてもらえなくてですね……。電話サポートのお姉さんは「こんなケースは初めてです」とひたすら困惑していました。うん、私も初めてだよ。結果的には個別対応で解約できました。


それから苦労したのは健康保険。夫は知らないうちに仕事を辞めていましたが、退職後も2年間は協会けんぽを任意継続できるので、会社の健康保険に加入したままの状態でした。私は扶養親族だったので、本来ならば夫経由で夫の以前の職場へ健康保険証を返却するべきですが、ここでもまた本人不在。仕方なく健康保険組合の所在地をネットで検索し、現地へ赴き、夫は夜逃げして居場所が……の説明をまた披露しました。ここでも、こんなケースは初めてだと驚かれましたが私も本当に以下略。


それから、暗い話ですが、私は不妊治療の際に受精卵を凍結保管していました。1年ごとに更新が必要で保管費用は年間8万円。離婚後は破棄しなければならないのですが、その同意書に夫の署名が必要……いやもう何回この説明すればいいんだよ疲れたよ……。結局、同意書の提出は不可能ということで、保管料を支払わない→自動破棄という悲しい流れになりました。息子の兄弟になり得たはずの小さな命。こんな別れになってしまい本当に申し訳ないです。

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