財産分与

離婚届不受理申出書は無事に提出できました。


さあ、次はいよいよ財産分与。まさしく離婚の正念場。なのですが、夫はいまだ音信不通のため、直接会って話し合うことができません。義父いわく「息子は入院中で精神的に衰弱している。あなたとの面会には応じられない。よって私が息子を代理して話し合おうじゃないか。いいね?」。……いや、よくないよ。ちょっと意味がわかりません。なんで離婚協議が伝言ゲーム?


その話を友人にすると、「入院って絶対に嘘だよ」と怒ってくれましたが、義父はお寺から僧侶を招いて病気平癒の祈祷をしていたので入院は事実だと思われます。さすがに、ただの演出で本物のお坊さんは呼ばないでしょうし。それに加え、夫への信頼はすでに最低ラインまで下がっていたので、今さら嘘をつかれたところで「ふーん、やっぱり卑怯だなぁ」くらいの感想しかありません。冷め切った夫婦関係とは虚しいものです。


そんなわけで、離婚協議は夫の実家で開催され、参加メンバーは私・義父・義母の3人となりました。夫のいない夫の実家。まるで甲子園球場へやって来た巨人ファンのようなアウェー感。ですが、尻込みしている場合ではありません。先方に提示された離婚の条件は次の通りでした。


・慰謝料は2年間の毎月分割払いとする

・マンションは夫がローンを組んで買ったものなので、あなたは自分の持ち分を主張せず速やかに出て行くように

・その代わり家にある家財は自由に持って行ってよい

・協議がまとまった後、離婚届は私が一人で市役所へ提出し、義父にコピーを渡す


よく混同されがちですが、慰謝料と財産分与はまったくの別物です。たとえば財産分与で貯金を半分に分けた上で、それとは別に夫へ慰謝料を請求するのもOK。とはいえ、協議離婚における慰謝料は義務ではないので、離婚すれば当然もらえるわけではありません。あるかどうかも、ある場合の金額も、すべては話し合い次第です。


そんなわけで、慰謝料は絶対に取ってやるぞと意気込んでいたのですが、相手の提示した条件に最初から含まれていたので正直ちょっと驚きました。まあ話し合いもなく一方的に捨てられたわけですからね。その他にも不倫や暴力など、夫サイドに明らかな非がある場合は是非とも請求するべきですが、価値観の不一致など「別にどっちも悪くないよね」という場合は慰謝料なしに離婚することもあり得ます。

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