第26話 呉範
「心の友?それに…今…」
劉良は、目の前の男が発した
言葉に驚くと共に距離を取る。
今、未来からの来訪者と言ったか?
それに心の友って…
「ああ、そう言えば
自己紹介していなかったな…それでは!!」
そう言って大袈裟に手を広げ独特な礼をする。
「初めまして我が名は
風を読み天下を読む男ッ!!
あっ飯のほうでも髪が黄色くもなりませんからね」
と訳のわからない事を言う。
「えっと…はぁ」
…呉範………誰だ?
前世の記憶も探るがわからない
聞いた限り占術師だと思うが
少なくとも河北では知らない名だ。
「もしかして、お知りではない?
呉の孫権様に仕え
軍師として活躍した私を?」
信じられない顔でこちらを見る。
そんけん?…孫堅殿の事か
「申し訳ない、孫堅殿に軍師がいたとは」
「確かに周瑜殿や魯粛殿、呂蒙殿など
大都督が目立ってしまいますからな〜
仕方なし」
周瑜殿と言うと
あぁ孫策殿の義兄弟の
有能と噂に聞いている人物か。
魯粛や呂蒙と言う人物はわからないが
それと同等なら有能な者達なのだろう…
「しかし大都督など大層な役職ですね
孫堅殿は、豫州刺史にはなられましたが
わざわざ都督に大をつけるとは」
「ん?おかしな事はないかと孫権様は、
豫州刺史などになっておられませんし
揚州を抑え荊州を納める呉王なのですから」
「は?」
「ん?」
二人は、会話が噛み合わず首を傾げる。
それも当然である
劉良は、孫堅文台の話をしていて、
呉範は、その息子の孫権仲謀の話をしているのだ。
その後も会話が噛み合わず戸惑っていたが
「ん〜あっ!!もしかして」
と呉範がこのすれ違いに気づき指摘した事で
劉良もすれ違いに気づいた。
「なっなるほど、孫堅殿の息子さんも
孫権と言うと」
「時々いたのだ呉以外の方で間違える人」
「なるほど…って、そうじゃなくて!!
その孫権と言う人物が呉王?
えっじゃあ中央は?
と言うかそれって未来の話ですよね?
つまり呉範殿も未来から?」
劉良は、冷静に話を聞いていたが
ついに頭がパンクする。
「まぁ落ち着きたまえよ
一から説明するから」
呉範は、詰め寄る劉良から距離を取り落ち着かせる。
落ち着けと言ってもすぐには、
落ち着かない…劉良は、息を吸い何回か
深呼吸をして落ち着かせる。
「あっそれでは中に
お茶でも入れましょう」
「うむではティータイム!!」
「はぁ…?」
意味のわからない言葉に首を傾げながら
劉良は、呉範と共に室内に入った。
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