第二十二話 発表会

劉虞と賈詡の舌戦を止めた高春は、

ふふふと笑っていた。


「いや決して無視しているわけではないぞ

 ただ…」


「ただ…何です?」


「いっいや」


母上の圧に劉虞刺史がたじろぐ。


「はっ母上?」

「良、覚えておきなさい男と言うのは、

 一度熱くなると視野が狭くなるものなのですよ」

「母上!?」


何言ってるんですか!!母上ー!?


劉良は、母の言葉に冷や汗が止まらない

相手は、この州を治める刺史だぞ

それを相手にそんな軽口。


「高春殿!!刺史様に無礼ですぞ!!」


ほら…劉虞刺史の御付きの方が怒ってる。


「やめよ!!

 …奥方私が視野が狭いと言ったのか?」


劉虞殿が御付きを止めて母上に質問する。


「あら?違いまして?

 こんな簡単な話しを長々と議論して」


「ほう…簡単な話と?」


「ええ、そうですよ簡単な事ではないですか

 賈詡殿達が視察が終えるまでは、

 家庭教師をしてもらって、

 その後は、新たな師を劉虞刺史に

 ご紹介頂く…はいこれで解決」


母上がパンと手を叩く。


「いやそれは…都合が良すぎないか?」

「あら何がですか?

 まさか刺史様とも…あろう方が

 一度出した言葉を無かったことにするのですか?」


劉虞は、ふっと笑い。

「私に桓公になれと?」


「そしたら、将来菅仲が来るかも知れませんよ?」


「来るかも…か?

 確実に来てほしいものだが」


劉虞がそう言うと劉良を見る。


えっ?何で皆自分を見るのだろう…


「ふっわかった、

 約束は、守るし無礼も許そう」


「はいありがとうございます。

 賈詡殿達も良いですね?」


「はい奥様の指図通りに」


賈詡は、顔を隠しながら頭を下げる。


凄いな…母上が

話しをまとめ上げてしまった。


「話がまとまってよかったですわ、

 このまま無駄な時間を過ごすなら

 良の宿題を聞いた方がよかったですもの」


母上…豪胆すぎませんか?

前世の母上は、ここまでじゃ無かったと思うが自分が知らないだけか。


「宿題ね〜どんな宿題なのだ?」


劉良が母への認識を改めている間に

話題は、劉良の宿題に移っていた。


「えっええと」


劉良は、賈詡の方を見て頷いているのを確認

したのち宿題の内容を話す。

 

「ほう…幽州を発展させる策を

 一つ献策せよか…面白い!!」


「劉虞刺史そろそろ」


まずいと思ったのか御付きが止めに入るが

劉虞は、止まらない。


「馬鹿者、これを聞かずして帰れるか!!

 さっせっかくだ、

 刺史の私が献策の出来を見てしんぜよう」


「そんな畏れ多い」

劉良は、謙遜して逃れようとするが

当然逃れられるわけはなく。


「…分かりました準備いたします」


…結局劉虞の前で献策を発表する事になったのだった。


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