第十八話 突然の来客

「なぁ…劉良」

「なんですッ!!」


ヒュッ!!カッ!!

劉良が放った一撃を華雄が軽く止める。


「どうしたんだお前の両親」

「…少し喧嘩しまして」

「それはわかるッんだよ!!」


ブンッ!!

「ッチ…原因を聞いてんだよ」


危なッ!!

劉良は、間一髪で華雄の攻撃を避けて距離を取る。


荘園に行ってから数日たち

先生達も戻って来て早々

鍛錬をしている。


「実は、折を見て荘園の方に住まいを移すと言う話がありまして」


「ほう…裕福だとは、思っていたが荘園を

 持っていたのか」


「はい、それで荘園に引っ越したい母と

 引っ越したくない父が喧嘩しまして」


「ほーん、普通逆だがな」


華雄先生は、構を解き武器を置く。

ふ〜どうやら終わりッ!?


「…ほうこれを受け止めるか

 油断していたと思ったのだがな」


「えぇ完璧に油断しましたよ

 止められたのは無意識です」


劉良は、冷や汗がでる。

今確かに師匠は、武器を置いたはずなのだが

いつのまにか目の前に武器が襲いかかっていた。


「ふっそれは、日々の鍛錬の成果だ

 後は、反撃までできれば完璧だな

 よし今日の鍛錬は、これで終わりだ」


「ありがとうございました」

劉良は、警戒を解かずに礼をする。


「おう…あっそういや午後から

 賈詡の授業だろ?

 それ俺も参加するから」


「え?先生がですか?」


「いやお前、賈詡から一つ献策するように

 宿題出されてたんだろ

 俺もその献策を聞きたくてな

 賈詡にも許可は貰ってる」


「そうですか…」

         ・

         ・

         ・

「……で」


「ん?何だ」


「華雄先生は、わかりましたけど

 ……何で母上までいるのですか!?」


賈詡先生の授業の時間になり

授業部屋に行くとそこには、

華雄先生は、ともかく母上がそこに座っていた。


「あら、私がここに居てはいけませんか?」

「いっいえそう言うわけでは…」


親に師匠と勉強している所を見られるのは、

何か抵抗があると言うか集中できないと言うか…


「すいません遅れました

 …ん?どうしました」


賈詡は、立ったままの劉良に首を傾げる。


「えっいやその」

「いい勉強ですよ」

 

賈詡先生にそう言われると拒否できない。

劉良は、渋々座る。


「よろしいでは、聞かせてもらいましょう

 君が考える幽州を発展させる策を」


「はい…それは「奥様!!」」


劉良の言葉は、外から聞こえる声に

かき消される。


「何事です!!」


春蘭がドアを開け注意する。


「すっすすすいません!!」


急いできたのだろう息も絶え絶えの使用人が

頭を下げる。


「それよりもどうしたのです

 そんなに急いで」


母上が使用人に聞くと

使用人は、息を整え口を開く

「はっはい…実は、お客様が来まして」


「は?それだけでなんですか騒々しい」


「春蘭」


「いえそれが…し」


「し?」


「刺史様なのです!!

 幽州刺史、劉虞様が来られました!!」


「「「「……、はぁーー!!??」」」」


皆の驚きの声が屋敷に広がった。

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