第九話 劉良、外へ出る

「うーん」


劉良は、短期的に効果が出る策を考える。


やはり1番の近道は、強硬派の弱体化だろう

その為には、強硬派を後押ししている


平和になったら支援がなくなり飢えがくると言う噂を無くすのがいいだろう…だが


当然、強硬派が妨害してくるし

そう簡単な話ではない。


「ハァ…それに加え、

 幽州の1番の問題は別にあるしね」


劉良が頭を捻らせていると

母上の言葉が耳に入る。


「えっ?他にもですか?」


確かに大小関わらず問題があるとは思うが

この派閥問題より問題な事あっただろうか?


「わからないのですか?」


異民族は、大人しくなってるし

凶作でもない…なんだ?


「すいません分かりません

 母上どうか私に

 お教えして願いませんでしょうか?」


劉良は、答えを見いだすことができず

母に頭を下げ教えをこう。


「良…わかったわ、春蘭!!」


母上は、側に控えていた侍女の春蘭を呼ぶ。


「はいここに」

「出かけるわ準備を」

「畏まりました」


そう言って春蘭が部屋から出て行く。


「母上?」

「良、実際に見せてあげるわ

 幽州最大の問題を」


そう言って母上は、私の頭を撫でた。


        ・

        ・

        ・


「高春」

「あら旦那様どうなさったの?」


母上と共に馬車に乗り込こんだ時

馬車の外から父上が歩いてきた。


「どうなさったの?って…

 急に出かけるとか言い出すから

 来たんだよ」


「あらごめんなさい、

 来客中だったのに、

 少し荘園の方に用事があってね

 行ってくるわ」


「それは、今じゃなくてもいいんじゃないか?せっかく劉備が来てくれたのに」


ああそう言えば劉備が来ていたな

完璧に忘れてた。


「あら?旦那様がいらっしゃるから

 良いではないですか」


「劉備が会いたがっているのだ」

「どうせ金の無心でしょ?」

「高春!!」


父上が怒るが母上は、どこ吹く風だ。


「旦那様?劉備にお金渡すのは結構ですが

 その場合は、自分のお金をお使いくださいね?さぁ…出しなさい」


母上の命令で馬車が動き出す

「おっおい!?」


…その場に父上を残して

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