サンタ・デコル・テ(2)(2023/12/12)

 これでも三田みつだはよく娘と向き合ってきたほうだと思う。

 ちっちゃなちっちゃな女の子。中年おじさんには未知ともいえる可愛すぎる生き物。けれども奥さんに安心して宇宙旅行を楽しんでもらうためには三田がしっかりしなくてはいけなかった。二人の、大事な娘なのだから。

 貼り付けた星型シールから、銀色のラメがほろりとこぼれる。

 そりゃあもう、流れ星になってまた目の前に落ちてきてくれたならどんなに嬉しかっただろう。そんなふうに考えた夜はいくつあっただろう。

 やっぱりパパは弱い生き物なのかもしれない。

 寂しくてぽっかりあいた穴を埋め尽くすように、缶缶を笑顔いっぱいのシールで飾っていく。

 いけないいけない。またしんみりしてしまったではないか。

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