②第二節 歓迎祭
四月三日に入学式が終わり、週明けの月曜日。
初めての講義が終わり、この日は歓迎祭という大学行事があったので、そのステージを見に行こうと思い、大学内の道を歩いていた。
ふと横を見ると、見慣れた子がこっちに手を振っていた。
このときの私は、知らない人に
なるべく知らない人とは関わりたくなかった。
でも、不思議とその子からはそんな感じはしなかった。
その子の名前は、
「この子も何かあるのかな。」と思い、
今となっては、急すぎることで、申し訳ないと思う。
だが、
新型コロナウイルスのワクチンでこうなったこと、自殺寸前まで追い詰められたこと、精神状態や体調が悪く、みんなには笑顔で振る舞っていること、全て伝えた。
「そっか……。辛かったね。
でも、ひとつの不安が生まれた。
みんなからこれだけの優しさを受け取っても良いのか、と。
このことを
じゃあ、いいのかな…。迷惑をかけていないのならば…。
相談できる人がひとり増えた。
私の心の中に余裕ができたような気がした。
後は、
歓迎祭、私はこんな状態で楽しめないと思っていた。
だが、
歓迎祭というひとつの大学行事があったから、
歓迎祭のステージを見に行こうと思わなければ、
そして、もうひとり出会った子がいる。
初めは「ふーん。」としか言わなかったが、話を聞いていくうちに「大丈夫か、お前!?」と言うようになった。
多分、結構驚いたのだろう。
そりゃそうだ、周りに笑顔で振る舞っていれば。
これが普通の人の反応だと思う。
でも、最後は受け入れてくれた。
「何かあったら、任せとけ!」とも言ってくれた。
みんな、優しいな。私はこの優しさを受け取っても良いのだろうか、と思った。
「優しさは受け取っていいんだよ!これまで辛い思いをしてきた分、優しさは受けとらないと!」という
そうだよね、受け取っていいんだよね。
優しさを受けるという抵抗は、少しなくなったと思う。
他の人にも精神面、体調面のことを話せればいいと思っていた。
けど、頭が…、思考が…、
言える人と言えない人が居るのだと思った。
「精神面、体調面、どちらも、みんなに言えたらいいのに…。」と思ったが、無理に言う必要はないと思った。
みんなから注意されてきた言葉、それは「溜め込んだらダメ!」という言葉。
その言葉の
精神面は回復してくる、そう思っていた。
だが、私の状態は深刻化していった。
まさか、あんなことになるなんて思いもせずに。
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